保育士の研修では何をするの?種類や内容を解説!
- 保育士求人 わたしの保育 TOP
- コラム一覧
- 保育士の研修では何をするの?種類や内容を解説!
コラム
COLUMN
#保育士の働き方
作成日 2020/03/31
更新日 2023/08/17
保育士の研修では何をするの?種類や内容を解説!
保育士として働き始めると、いろいろな研修に参加する機会があります。保育士としてスキルアップしたい人にとって、研修は有意義なものです。
今回は保育士が受ける研修内容の詳細や主催者、時期や日数についてわかりやすく説明します。さらに、気になる研修当日の服装についても確認しておきましょう。
目次 |
---|
保育士の研修の種類と内容とは?
保育士の研修にはさまざまな種類があります。まずは、それぞれの研修内容についてくわしくチェックしてみましょう。
製作や遊びを学ぶ研修
製作や遊びを学ぶ研修は、毎日の保育にすぐに活かせるため人気があります。とくに日本の四季に合った製作や遊びを学ぶことで、保育の幅を広げられるのです。
研修内容は、毎年、少しずつ更新されることが多いため、レパートリー不足を感じている若い保育士はもちろん、ベテラン保育士にとっても、マンネリ防止に役立つでしょう。
研修では、その製作や遊びが何歳児にふさわしいかを教えてくれます。保育士が研修で身につけた知識を活かし、子どもの年齢や発達段階にぴったりと合った製作や遊びを提案することで、子どもたちの心身はすこやかに成長するでしょう。
子どもたちにとって製作や遊びは、単なる「お楽しみ」だけでなく、成長のために欠かせない大切な「学び」でもあるのです。
製作や遊びを学ぶ研修は、その多くがその場で保育士に実践させる内容です。実際にやってみることで、「ここが難しい」とか「このときが危ない」などのポイントを体感できるでしょう。
ひとりで本や参考書を読むだけではわからない、安全確保のための注意点を学べるのが、製作や遊びを実技で学ぶ研修の最大のメリットです。手順や段取りなど研修内容に疑問があれば、積極的に質問しましょう。
自分が現在担当する年齢の子どもたちに合った製作や遊びを学ぶ研修もよいですが、まだ受け持ったことのない年齢の子どもを対象とした内容の研修を受けてみるのも勉強になります。
とくに、担当している年齢の1学年上の製作や遊びを知ることで、子どもたちの翌年の発達段階を見越した指導にも役立ちます。
とりわけ4、5歳児になってくると、保育園での製作や遊びは小学校教育への先駆けとしての意味合いが強まります。子どもたちは、保育園での製作や遊びを通して、小学校で必要な集中力や協調性を養うのです。
製作や遊びのレパートリーを増やすだけでなく、子どもたちの成長や小学校とのスムーズな連携を意識しながら、研修を受講してみるのがよいでしょう。
絵本研修
近年、絵本の読み聞かせは、子どもたちの発達に大きな影響を与えることが知られてきました。また、絵本の読み聞かせによって、子どもたちは精神的な安定を得ることもわかっています。
とはいえ、保育士のなかには、毎日読み聞かせを行なっているけれど、子どもたちの食いつきがよくないと悩んでいる人もいるでしょう。選ぶ本が合わなかったり、読み方に改善すべき点があったりということが原因かもしれません。
絵本研修では、読み聞かせに悩みをもつ保育士のために、子どもの年齢や発達段階にふさわしいおすすめの本を紹介してくれたり、読み聞かせのコツを教えてくれたりします。
数多く発行されている絵本のなかから、自分が受け持つ子どもたちにぴったりの1冊を選び出すことは、容易ではありません。
長年読み継がれているベストセラーでも、子どもたちの年齢や環境に合っていなければ、楽しい読み聞かせの時間にはならないでしょう。だからこそ、絵本研修に参加し、さまざまな絵本の情報を収集することが重要です。
また、絵本を見るとき、大人と子どもでは注目する点が違うことがあります。研修を受講し、子どもの視点やこまかな表情の変化を知ることで、保育士自身も楽しみながら絵本の読み聞かせができるようになるでしょう。
幼少期の読み聞かせは、子どもが将来、本を好きになるかどうかに影響を及ぼすものです。保育士が研修内容を通して、より効果的な読み聞かせの方法を学ぶことで、子どもたちに読書の楽しみを伝えましょう。
歌・ダンス・リトミックの研修
歌やダンス、リトミックを学ぶ研修の受講で、運動会や発表会のレパートリーを増やせます。多くの研修が、流行を取り入れた内容です。
メディアやインターネットの普及により、子どもたちは新しい歌やダンスに敏感に反応します。保育士も負けないように、研修を通じてつねに新しい情報を吸収しておきましょう。
平成20年より、中学校でもダンスが必修となりました。そのため、保護者の関心も高く、保育園でもダンスやリトミックなどを積極的に取り入れてほしいという声が増えてきました。
とくにリトミックは、専門的な知識が必要不可欠です。研修でしっかりと理論を学び、子どもたちに伝わる教え方を身につけましょう。
歌やダンス、リトミックは、頭で理解しているだけでは対応できないことが多い分野です。実際に体を動かして学べる研修を受講し、子どもたちの感性と表現力を伸ばせる指導法を獲得しましょう。
食育の研修
子どもの健康に直結する食育の研修は、その重要性が年々高まっています。とくに食物アレルギーの問題は、対応を間違えば生命に危険がおよぶため、保育士がよく理解しておく必要がある分野のひとつです。
食育の研修内容としては、アレルギー対策はもちろん、乳児の離乳食、幼児の偏食への対応、肥満や生活習慣病の予防など多岐に渡ります。
保育園に通う間の食習慣は、子どもたちの一生にかかわるものだといえます。保育士が食の奥深さを学び、毎日の保育のなかで、子どもたちに食の大切さとありがたさを伝えることが重要です。
食育の研修には、日本の四季折々の食材を楽しめるものがあります。ただお腹を満たすために食べるのではなく、目や心で味わう食事の楽しさを教えられるよう、積極的に研修に参加してみましょう。
障がい児研修
障がい児研修では、障がいをもつ子どもたちへの対応方法とともに、保護者との接し方などについて学びます。よく話題になる発達障がいを取り扱った研修も最近増えてきました。
障がい児を直接担当する加配保育士になった場合はもちろん、クラス担任を受け持つ場合でも、ぜひとも受講しておきたい研修のひとつです。
発達障がいに関しては、診断によく用いられるWISC(知能検査)の検査対象年齢が5歳からのため、保育園期の子どもは確定診断を受けていないケースが多く見られます。
そのため、身体障がいなどとは異なり、保護者自身が子どもの発達の遅れに気づいていないことが多く、慎重な対応が必要です。研修内容によっては、保護者への告知のしかたなどを学ぶ講座もあります。
障がいの内容や程度に合った早期療育は、子どもたちの発達に不可欠です。保護者のなかには、子どもが抱える発達の問題について誰にも相談できず、悩んでいる人もいるでしょう。
保育士が障がい児研修を通じて適切なアプローチを試みることで、子どもや保護者が感じている「生活のしづらさ」を少しでも解消できるよう努めることが大切です。
また、平成28年4月からスタートした「障害者差別解消法」により、日本では障がいのある人もない人も自分らしくともに生きる「共生社会」の実現がいっそう促進されるようになりました。
このような現状に対応するため、保育士が障がい児研修に参加し、障がい児とほかの子どもたちが共生できる「合理的配慮」のあるクラス作りについて学ぶ機会をもつことが大切です。
保護者対応の研修
保護者対応は保育士が頭を悩ませる課題のひとつです。保護者対応の研修内容を通じて、いろいろな考え方をもつ保護者への接し方を学びます。
保護者とひとくくりでいっても、年齢や職業、家庭環境は千差万別です。なかには、慣れない子育てや仕事と育児の両立がストレスとなり、メンタル面でフォローが必要な人もいるでしょう。
保護者の相談に乗り適切なアドバイスをする、必要に応じて関係機関につなぐ、などの方法を学ぶことも、保護者対応の研修における重要なテーマなのです。
本来、保護者と保育士は対立する関係ではありません。保護者と良好な関係を築き、協力しあって子どもにかかわっていくことが、なにより子どもの健全な成長につながるはずです。
保護者対応の研修によって学べるコミュニケーション方法やクレーム対応のポイントは、保育士以外の仕事でも大切です。自分自身の社会人としてのスキルを上げるためにも、保護者対応の研修を受講してみましょう。
児童福祉研修
児童福祉の研修内容は、近年、社会問題となっている虐待の対応などが中心です。平成16年の児童虐待防止法改正法により、保育園などの児童福祉施設は、児童虐待の早期発見に対して「責任を負う」ことが明確化されました。
保育園での子どもたちの何気ない様子が、じつは被虐待児特有の「試しの行動」などの可能性があります。保育士が児童福祉研修を受けて正しい知識を身につけていれば、ちょっとしたサインから虐待を早期に見つけられるのです。
それ以外にも、児童福祉研修を通じて、DV、貧困家庭へのかかわり方など、専門的な知識がないと対応が難しい分野にも精通できるでしょう。
保育法に関する研修
保育法に関する研修は、保育園の方針に合わせて受講するのが一般的でしょう。具体的な研修内容は、モンテッソーリ教育法やヨコミネ式などさまざまです。
もし、将来、転職を考えている場合は、希望する保育園が導入している専門の保育法について学べる研修に参加してみるのがおすすめです。面接時に有利なアピールポイントになります。
新制度導入に関する研修
保育士の待遇改善や幼保連携、子育て支援などに関連して行政の新制度が導入されると、自治体などが主催となって研修が行なわれることがあります。
園長や施設長が代表して参加することが多いですが、研修内容によっては、実務に精通した主任保育士や責任のあるポジションの保育士に参加を促す場合があります。
将来、マネジメントに携わりたいと考える人は、機会があれば積極的に受講するのがおすすめです。園の代表として参加しますので、ほかの保育士や保護者にも説明できるよう、しっかりと理解しておきましょう。
新人研修
新人の保育士を対象に行なわれるのが新人研修です。研修内容は基本的なものですが、どれも今後保育士として働いていくうえで重要なものばかりでしょう。
保育士になり現場に出れば、たとえ新人であっても子どもたちの命を預かるプロとして扱われます。学生気分で受講するのではなく、仕事の一環で参加しているという認識を持ち、真剣に取り組みましょう。
新人研修は、年度始めの4、5月に行なわれる場合もあれば、1年間を通して受講する場合もあります。研修の受け方や期間は、保育園で決められていることが多いでしょう。
保育士の研修の主催者は?
普段なにげなく受講することが多い保育士の研修ですが、じつは研修内容によって主催者が異なります。いつもとは目線の違う研修に参加してみたいときは、主催者に注目して選んでみてもよいでしょう。
保育士研修の主催者は多岐にわたる
保育士が参加する研修の主催者はさまざまです。日本保育協会などの社会福祉法人や各地の保育連盟などが主催するものもあれば、精神科医や保育法の提唱者などが個人で行なっているものもあります。
最近は、待機児童問題の解消を目指す地方自治体が、保育士の育成・離職防止を目的として行なう研修も増えてきました。
各保育園や福祉施設が主催となる研修もあります。研修内容によっては、実際に現地に出向き、普段は見られない現場の様子を見学させてもらえるため、ひじょうに有意義です。
保育園の方針によっては、園内研修や関連保育園との交流研修が実施されることも多いでしょう。日常の子どもとの接し方を見て意見を述べ合ったり、お互いのクラス運営のやり方をチェックし合ったりする絶好の機会です。
このケースでは、自分自身が主催者側に抜擢されることがあります。研修の企画、運営は、研修内容に対するいっそう深い理解が必要です。
このように、自分自身を含め、さまざまな主催者による研修に参加することで、幅広く偏りのない知識を身につけられるでしょう。
保育士の研修が行なわれる時期や日数は?
研修内容に興味があっても、保育士は毎日の仕事が忙しいためなかなか研修のための時間がとれないという場合が多いです。そもそも、保育士の研修はいつ、どれくらいの期間で行なわれているのでしょうか。
保育士研修はいつ何日ぐらい開催される?
研修内容によってもまちまちですが、一般的に保育士の研修は、保育園の繁忙期を避けて行なわれる傾向にあります。運動会や発表会シーズンである10、11、12月は、どこの保育園も同じように忙しいため、研修はあまり開催されないと考えてよいでしょう。
人事異動や新入児の受け入れで落ち着かない年度替わりも忙しい時期ですが、新人研修や制度の変更など、早い時期に行なう必要があるものは、4、5月に実施されることもあります。
時間帯は、土日の場合は、昼から夕方にかけて開催されることが多いです。平日の場合は、通常保育の時間が終わったあとの18時や19時以降に始まるのが一般的です。
日数や期間は研修内容によって異なります。1回きりのものもあれば、何か月かにわたって行なわれるものもあるでしょう。現地視察をともなう研修の場合は、3日間連続で宿泊して実施される場合もあります。
保育士の研修のときの服装は?
保育士の研修に参加するときに迷うのが服装です。研修内容にふさわしい服装とはどのようなものなのか考えてみましょう。
参加する保育士研修にふさわしい服装を選ぶ
座学で行なわれる保育士研修の場合、基本的にはスーツで参加します。最近はクールビズなどの影響で、軽装も認められるようになってきましたが、念のため最低でもジャケットは持参するようにしましょう。
保育園を通じて申し込む研修に関しては、「保育園を代表して参加している」という意識をもつのが原則です。TPOに合わない服装で参加すると、所属する保育園や園長にも恥をかかせてしまいます。
とくに、ほかの園や施設を訪問する場合は、その利用者の目があることを忘れてはいけません。派手すぎるものや露出の多い服装は避けましょう。
服装や態度があまりにもひどい場合は、園長に直接クレームが入るケースがあります。保育業界は狭い世界ですから、今後、自分自身が転職活動をする際の妨げになることも考えられるのです。
つい「研修ぐらい」と気軽に考えてしまいがちですが、社会人としてのマナーを守り、気を引き締めて参加しましょう。
自分が参加する研修内容に合った服装を選ぶことも大切です。ダンスやリトミックの研修に参加するのに、丈が短いスカートやひらひらとした服装を選ぶのは不適切でしょう。
研修によっては「ジャージなど動きやすい服装」と指定がある場合もありますが、どうしてもわからないときは、事前に質問して確認するのがおすすめです。
研修内容をよく吟味し、自分に合った保育研修を受けよう!
保育士としてスキルアップを目指すためには、研修の受講は不可欠です。とはいえ、忙しい仕事の合間をぬって手当たり次第受けるのは効率的ではありません。
自分自身の現状を把握し不足しているスキルを身につける、将来のキャリアアップを目指して得意分野に磨きをかけるなど、目的意識をしっかりと持ち、研修内容を吟味することが大切です。
また、研修に参加する際は、学んだことを子どもたちや保護者、保育園にフィードバックするために、少しでも多くのことを吸収するつもりで取り組みましょう。
つねに真摯な態度で研修に望めば、保育士としてまたひとつ上のステージへとステップアップできるのです。
「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスは、保育のお仕事専門の人材紹介会社として、多くの保育士さんの復帰をサポートしています。お仕事のご紹介だけでなく、無料の保育士向け研修もご用意しています。まずは、無料ご相談フォームからご相談ください。
★お仕事探しの相談・ご登録はへ無料ご相談フォーム★
★保育士向け研修(無料)一覧へ★
★お仕事検索はお仕事一覧へ★
監修者 PROFILE
和氣 タイ子 Waki Taiko都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。