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コラム

COLUMN

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#子どもの心と体

作成日 2022/12/08

更新日 2022/12/09

保育園での冬と食 クリスマスにつながる冬至

冬至の文字と季節の食べ物

目次

はじめに

テンダーラビング保育園の給食室の献立では、季節にちなんだメニューを展開しています。

季節感のある食事を味わうことで、その季節の伝統的な行事を子ども達が体験し、「豊かな心」をはぐくんでほしいという願いがあります。このコラムでは、冬至と食についてご紹介します。

冬至について

冬至とは、一年のうちで最も昼が短く夜が長い日を言います。北半球では太陽が最も低い位置にきているため、夏至の日と比べると北海道の根室で約6時間半、東京では約4時間40分もの差があります。

海外にもある冬至

冬至は日本だけのものではなく、海外にもあります。一部をご紹介します。

中国の冬至

冬至の翌日から日が延びるため、太陽が生まれ変わる日と捉えて、陰から陽にかえると考えられてきました。中国ではこれを「一陽来復」といい、この日を境に運が向くとされています。つまり、「すべてが上昇運に転じる日」という意味があるのです。なんて素敵な日でしょう!

ヨーロッパ北部 ブッシュ・ド・ノエルの由来

何千年も前から、ケルトやゲルマンの人々は「冬至祭」を行なってきました。緯度の高いところほど日照時間の差は大きくなるため、北欧での夏至・冬至祭は、とても盛大なイベントです。

この冬至祭は「ユール」と呼ばれています。「ユールログ」と呼ばれる大きな木の幹(巨大な薪)を燃やしてその火を囲み、ご馳走を食べお酒を飲んで、12日間祝いました。ユールログの火は魔除けの効果があるとされ、その後北欧以外のヨーロッパへもユールとユールログの習慣が広まっていきました。

後にキリスト教と混交してクリスマスになりましたが、北欧では今でもクリスマスのことを「ユール」と呼び、ユールログを模した丸太型のケーキ「ブッシュ・ド・ノエル」を食べる習慣も残っています。

冬だからこそ子どもたちが感じられるもの

保育園での子どもたちの冬の表情も見ていきましょう。

テンダーラビング保育園では、自然遊びを通して豊かな心を育むことを保育の柱にしていますが、冬は五感を働かせて季節を体や心で感じるのにぴったりな季節だと考えます。

  • 自分の息が白くなっているのを見て、寒さを目と肌で感じるとき
  • 色づいた木の葉がたくさん地面に落ちているのを発見して、それを踏んだとき
  • 小さな足で足踏みしているお友達の足元から、乾いた葉の音がカサカサと鳴るのを聞いたとき

毎日当たり前のように行なうお散歩でも、子どもたちは思い思いに季節を感じています。保育の先生はせっかくの発見の機会を妨げないように、声掛けも先回りせずに子どもたちを見守っています。

季節を感じる時間は、園に戻ってきたあとも続きます。

  • 温まった身体を感じたとき
  • 風邪をひかないために、自分で汗を拭くとき
  • ひとりで着替えるように促されたときに感じる、自分のかじかんだ手

お散歩中見かけるどの保育園のどの先生も、寒い中熱心に活動されています。これは、寒い冬だからこそ子どもたちが得られるものもたくさんあるからですよね。同じ保育に携わる者として、頭が下がるばかりです。

自然の体験を味わう素敵な保育の活動があるからこそ、子どもたちの給食の時間が季節感あふれるものになり、たとえ薄味でも食材一つ一つの味に深みが生まれることにつながっています。保育の活動そのものが「かけがえのない調味料」なのです。

冬至の行事と食

冬至に食べたいもの

冬至に「ん」のつくものを食べると「運」が呼び込めるといわれています。

  • にんじん
  • だいこん
  • れんこん
  • うどん
  • ぎんなん
  • きんかん
  • かぼちゃ(なんきん)

冬が旬の食材は、運気上昇のパワー食材です。

かぼちゃ

夏に収穫して冬まで保存ができるかぼちゃは、冬の間の貴重な保存野菜として重宝されてきました。栄養学的にみても優れており、ビタミンのACE(エース)と呼ばれているAとCとEという、3つのビタミンをこれひとつで同時に摂ることができます。

消化器官が小さい子どもたちにとって、栄養価が高い野菜は丈夫な身体をつくる助けになりますし、風邪も予防してくれます。

柚子湯

冬が旬の柚子は香りも強く、強い香りのもとには邪気が起こらないという考えから使われるようになりました。端午の節供の菖蒲も同じ考えからきています。また、柚子(ゆず)は=「融通」がきく、冬至=「湯治」に通じて縁起もよいため、冬至には柚子湯となりました。

給食でも家庭でも冬至の季節に使えるレシピ

子どもたちに人気の代表的な冬の献立をご紹介します。

かぼちゃとしめじの豆乳味噌スープ



<材料 一人分>
玉ねぎスライス30g・しめじ16g・水140cc・かぼちゃ角切り50g・ブイヨン2g・●味噌4g・●豆乳80cc・パセリ粉適量

<作り方>
  1. 玉ねぎ・しめじを入れてだし汁で煮る
  2. かぼちゃも入れ野菜がやわらかくなったら、●の調味料を入れる
  3. 豆乳も加えて味を調えてひと煮立ちさせ、パセリ粉をふる

鮭の磯辺焼

<材料 一人分>
鮭80g・青のり0.8g・しょうゆ2cc・みりん2cc・酒2cc・油2cc

<作り方>
  1. 青のりと調味料を合わせて魚をつけ込む
  2. 鉄板にオーブンシートを敷き、180度で12~15分ほど焼く

かぼちゃ団子

<材料 一人分>
かぼちゃ(皮なし)70g・砂糖3g・干しぶどう(お湯につけ粗く刻む)5g・●きな粉6g・●砂糖4g

<作り方>
  1. かぼちゃを適当な大きさに切って蒸す
  2. 熱いうちにかぼちゃを潰し、刻んだレーズン・砂糖を混ぜて団子状にする
  3. ●を合わせてまぶす

ほうれん草のクッキー

<材料 一人分>
小麦粉20g・油8cc・砂糖5g・ほうれん草(細かく切る)1g

<作り方>
  1. ボールに油と砂糖を入れてよく混ぜる
  2. 小麦粉を入れて混ぜ、ほうれん草も入れてまとめ、ラップで棒状にまとめて冷蔵庫で冷やす
  3. 鉄板にオーブンシートを敷き、クッキー生地を切って並べ、170℃の予熱で温めたオーブンで13~15分焼く

さいごに

繊細で儚げで美しいものが多い冬。美しい四季のある日本だからこそ、育めるものは多いはずです。子どもたちと共に、体いっぱいに冬を感じてくださいね。


「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービス では、保育士向けに保育の現場で役立つ無料の研修を随時行なっています。

適切な保育のための知識や、子どもたちを喜ばせるレパートリーを増やしていただくためのサポートをさせていただければと思いますので、ぜひご参加ください。

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監修者 PROFILE

二瓶 敦子 Nobuko Nihei
博士(学術)・管理栄養士・HACCPコーディネーター・栄養教諭
保育園給食の責任者として10年勤務。現在もテンダーラビング保育園本部で保育園給食の責任者として従事し、日々、安心・安全な給食づくりに取り組む。
レシピ:小澤・土田

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