気軽に楽しめる!割り箸工作
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#日々の保育
作成日 2020/04/20
更新日 2023/08/17
気軽に楽しめる!割り箸工作
折り紙や紙コップを使った製作が少しマンネリになってきた、という子どもたちにおすすめなのが、割り箸工作です。割り箸工作は、ごくかんたんに作れるものから、かなり複雑なものまで難易度が異なるさまざまな作品の種類があります。
今回は割り箸工作の魅力や注意点、さらには実際の作り方についてくわしく解説します。
目次 |
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割り箸工作の魅力とは?
幼い子どもたちでも身近な材料でかんたんに取り組めるのが、割り箸工作です。子どもたちに大人気の割り箸工作がもつ魅力とは、どのようなものなのでしょうか。
手に入りやすい材料と気軽に作れるところ
割り箸工作の魅力は、材料が手に入りやすいことです。割り箸や輪ゴム、ボンドなどは、どれも100均でかんたんにそろえられます。
また、割り箸は軽くて扱いやすいため、ハサミを使えば子どもでもかんたんに加工できます。保育士が事前に複雑な下準備をしなくても、気軽に取り組みやすいことが魅力のひとつといえるでしょう。
幼児期の子どもたちにとって、ハサミの練習は手先の発達を促すうえで重要です。割り箸工作を楽しみながらハサミの使い方に慣れていくことで、手先の器用さを養うことができるでしょう。
アイデア次第では複雑な芸術作品を作れるところ
複雑なものを作ろうと思えば、アイデア次第でいくらでも挑戦できるのが割り箸工作の特徴です。
コツコツとクラスみんなで力を合わせれば、保護者が思わず息をのむようなすばらしい芸術作品を作れます。園で開催する作品展などの題材としてもぴったりなのではないでしょうか。
さらに、作品によっては、作成後、ただ飾るだけでなく実際に遊べるのも、子どもたちにとっては「作りがいがある」と感じるポイントです。
割り箸工作に必要な材料とは?
それでは、具体的に割り箸工作に取り組むには、どのようなものを準備すればよいのでしょうか。
割り箸工作の材料は100均で調達しよう
割り箸工作で必要な割り箸は、100均で調達するとよいでしょう。
行事のあまりものや各家庭で用意したものでもかまいませんが、ひとつずつ個包装されているものは子どもたちが取り出すのに手間取ったり、中につまようじが入っていて危険なことがあります。
できるだけシンプルな包装のものを使いましょう。
輪ゴムも大容量のものが100均で売られています。ワンポイントの飾りがわりに色つきのものを選ぶと個性的なものが作れ、子どもたちにも好評です。
レベル別!人気の割り箸工作を紹介!
それでは、実際に人気の割り箸工作について、年齢やレベルに応じたおすすめのものを紹介します。
初級編
初めて割り箸工作に取り組む子どもたちに、ぜひとも挑戦してほしいのが、「マジックハンド」です。どちらも難しい作業はほとんどありませんから、保育士の補助があれば2、3歳児でも作れます。
マジックハンド
《材料》
- 割り箸10膳
- 輪ゴム8つ
- ペットボトルのふた2個
- 両面テープ
輪ゴムとペットボトルの色を工夫してカラフルな割り箸工作にしましょう。
割り箸4膳を十字に重ねます。
真ん中を輪ゴムで固定しましょう。
同じものをふたつ作ります。
ふたつを図のように互い違いに組み合わせて、輪ゴムで連結しましょう。
2か所とめるとこのようになります。
残りの割り箸を持ち手にしましょう。
本体の割り箸のあいだに挟みこんで輪ゴムで固定します。
反対側も同様です。
もう1か所ずつ持ち手を輪ゴムで固定しておいたほうが、子どもの力でも動かしやすいでしょう。
最後にペットボトルのふたを両面テープで取りつけます。
できあがりです。
いろいろなものをはさんで楽しみましょう。もっとたくさんの割り箸を使って、長いマジックハンドを作ってみても面白いですね。
中級編
もう少し難しい割り箸工作に挑戦してみたい子どもたちには「ミニチュア家具」がおすすめです。
お気に入りの人形やぬいぐるみといっしょに飾ったり遊んだりできますので、子どもたちの創作意欲がしぜんと高まります。割り箸とハサミの扱いに注意を払えば、3・4歳児クラスでも取り組めます。
ミニチュア家具
割り箸工作でかわいい椅子を作ってみましょう。
《材料》
- 割り箸5膳
- ハサミ
- ボンド
- サンドペーパー(必要に応じて)
割り箸3膳を割ります。
3等分の長さで切りましょう。
ある程度、長さをある程度揃えてそろえて、9個ずつに分けます。
気になる部分は、保育士がサンドペーパーで処理しておきましょう。
ボンドを使って9個を順番に接着していきます。
すこしはみでるぐらいにボンドをつけたほうがやりやすいでしょう。
1枚板のようになりました。これが座面部分です。
同じように残りの9個で背もたれの部分も作成します。
残り2膳の割り箸を割りましょう。
こちらは4等分にカットします。
4~5本ずつ接着しましょう。割り箸は上下で太さが違います。そのため、実際に4本にするか5本にするかは、それぞれの高さを見ながら考えましょう。
同じ高さの板が3枚できました。
これを組み合わせて接着し、足の部分を作ります。
先ほど作った座面をボンドでつけましょう。
背もたれをつけて完成です。
背もたれが倒れそうな場合は、後ろに支えをつけると安定します。
子どもたちが大喜びするすてきな椅子ができました。
上級編
最後に上級編ではとして、憧れの「ミニチュアハウス」に挑戦してみましょう。5歳児クラスの子どもたちであれば、役割分担をして共同製作してもいいですね。絵本や物語の一場面を割り箸工作で再現してみるのもおすすめです。
ミニチュアハウス
大規模な割り箸工作ですので、かなりの量の箸が必要です。作りたいミニチュアハウスの規模にあわせて、最初に設計図を考えておくといいでしょう。
《材料》
- 割り箸44膳
- ハサミ
- ボンド
(1)屋根を作る
まずは割り箸2膳を取り出します。
ボンドをたっぷりと使いしっかりと貼りつけましょう。
8膳の割り箸を使い、同じものを4組作ります。これが屋根です。
(2)壁を作る
次に4膳の割り箸を用意します。
こちらもボンドでしっかりと接着しましょう。
12膳の割り箸で、3枚の板を作ります。これで壁ができました。
(3)床を作る
最後に20膳の割り箸で床を作ります。
1膳ずつていねいに貼りつけていきましょう。
しっかりとボンドを乾かします。
(4)床と壁を接着する
これに先ほど作った3枚の壁を取りつけましょう。
倒れなくなるまで乾かします。
(5)柱を立てる
柱用に、さらに4膳の割り箸を用意しましょう。
これを4か所にボンドで固定します。
屋根を支えなければいけませんので、しっかりと取りつけておきましょう。
これも乾くまで待ちます。最後に屋根を設置します。
(6)屋根をのせて完成
基本はボンドでおこないますが、どうしても支えられない場合は、両面テープを使うのがおすすめです。
できあがりました。完全にボンドが乾くまで、1日程度、触れないようにしましょう。
布や折り紙で飾り付けをすると、かわいいミニチュアハウスの完成です。絵の具で色をつけてみてもいいでしょう。
チャレンジ編
最後に、チャレンジ作品として、「割り箸ゴム鉄砲」を紹介します。5歳児クラスの子どもたちなら、楽しく取り組める割り箸工作です。
割り箸ゴム鉄砲
《材料》
- 割り箸3膳
- 輪ゴム(弾も含めて7つ)
- ハサミ
- サンドペーパー(必要に応じて)
すこし難しい部分もありますが、基本的にはこれまでの割り箸工作と同じです。手順を見ていきましょう。
まずは割り箸を割ります。
そのうちの3本を輪ゴムでとめましょう。
真ん中の1本を少し引きだし、もう1本の輪ゴムで固定します。この飛び出た部分が銃口です。
次に残りの割り箸から1本を取り出し、ハサミで半分に切りましょう。ハサミを持つ手にはあまり力を入れず、割り箸のほうをクルクルと回すとかんたんに切れます。
先ほどの銃口をさらに引っ張り出します。
そして、後ろにできた空間のちょうど真ん中あたりに、半分に切った割り箸を1本差し込み輪ゴムで固定しましょう。
まず、半分に切った割り箸に輪ゴムを巻き付けます。
そのまま銃本体に差し込みましょう。
本体の後ろ側に輪ゴムをまわしかけます。
1周まわせたら、今度は半分の割り箸だけに巻き付けましょう。これを何度か繰り返すと固定できるのです。
もう半分の割り箸をさらに後ろに付けます。
2本の下の先端を輪ゴムで留めましょう。
これで銃の形になりました。最後に引き金を取りつけます。
今度は4等分の大きさに切りましょう。
子どもの指に何度もあたる部分になりますので、気になるようなら保育士がサンドペーパーで処理すると安全です。
先に引き金にゴムを巻き付けます。
銃本体に差し込み、巻いておいた輪ゴムで固定しましょう。
上から見るとこのようになっています。この赤い輪ゴムを引っ張って後ろにまわしましょう。
子どもたちがするときは、保育士が銃本体を押さえてあげるといいでしょう。
下から見た写真です。そのまま輪ゴムを引っ張り続けて、持ち手の部分もくぐらせましょう。
横から見るとこのようになります。
同じことを2~3回繰り返すと固定できます。
完成しました。この写真のように、引き金が銃口側に傾くようにするのがポイントです。手で軽く倒しておくとよいでしょう。
輪ゴムをかけて飛ばします。うまく引っかけられない場合は、銃口を短くするか、銃口の先に切れ込みを入れるのがポイントです。かなりの威力で飛びますので、ぜったいに人に向けて飛ばさないようしっかりと指導しましょう。
割り箸を扱う際の注意点
割り箸工作をおこなう際には、いくつかの注意点があります。思わぬ事故を防ぐため、取り組み前に確認しておきましょう。
割り箸のとげが刺さらないように注意
割り箸によっては、加工や素材の問題からとげが目立つものがあります。また、折れてささくれになったり先がとがったりすると危険です。割り箸工作の際は必ずハサミを使い、力任せに割り箸を折らないよう注意を促しましょう。
とげやささくれには、保育士がサンドペーパーを使い対応します。サンドペーパーを細かく切ると子どもの手でも扱えますが、不用意に指をこすって傷つけることのないようしっかりと見守りましょう。
目に入らないように注意
割り箸工作のときには、子どもたちが割り箸の先端を自分自身や周囲の友だちの目に向けないように気をつけなければなりません。不慮の事故を防ぐため、隣の子どもと座席の間隔をじゅうぶんに取るとよいでしょう。
割り箸は持ったまま歩いたり走ったりすると危険です。立ちあがるときは、割り箸をいったん手放すよう指導を徹底しましょう。また、箸は本来、食事に使うものですから、子どもたちは口にくわえてしまう可能性があります。目や口に怪我を負わないよう細心の注意を払いましょう。
割り箸工作で子どもたちの心身の発達を促そう
ふだんなにげなく目にする割り箸は、子どもたちにとって身近な存在です。子どもたちは割り箸工作を通じて、いっけん「ものづくり」とは関係がなさそうな日用品が、すこしの工夫ですばらしい芸術作品に生まれ変わる「面白さ」を実感できるでしょう。
また、割り箸工作は子どもたちの手先の器用さを養います。さらに、幼いころから立体的な工作に取り組むことは、将来必要となる想像力や空間把握能力の促進につながるでしょう。
割り箸工作を取り入れることで、子どもたちの心身の健やかな発達を後押しできるといいですね。
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監修者 PROFILE
和氣 タイ子 Waki Taiko都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。