公務員保育士って?私立保育園との違いや年収、採用試験について解説!
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#保育士の働き方
作成日 2020/03/17
更新日 2021/03/31
公務員保育士って?私立保育園との違いや年収、採用試験について解説!
公務員保育士という職種について聞いたことがあるでしょうか。公務員保育士は、さまざまな保育士の働き方のなかでも、憧れる人がとても多い仕事です。
一般的に、私立保育園の保育士にくらべて、公務員保育士は給料や待遇がよいといわれています。今回は公務員保育士の実態やメリット・デメリット、採用試験などについて、くわしい情報を集めてみました。
目次 |
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公務員保育士って何?
公務員保育士とはどのような保育士を指すのでしょうか。私立保育園の保育士との違いに着目しながら説明していきます。
公務員保育士と私立保育園の保育士の違いって?
公務員保育士とは、自治体が運営する公立の保育園や児童福祉施設などで勤務する、公務員保育士採用試験に合格した保育士のことです。
公務員保育士採用試験とは、保育士試験とは別に各自治体が採用候補者を決めるために行なうもので、公務員保育士になるためには、かならず合格する必要があります。
なお、誤解されることがありますが、国の基準を満たした認可保育園であっても、公立でない私立保育園で勤務する保育士は、公務員ではありません。
また、公立保育園で働いていても、人材派遣会社と雇用契約を結んでいる派遣保育士も同様です。
以上の定義を念頭におきながら、具体的に公務員保育士と私立保育園の保育士の違いについて確認していきましょう。
公務員保育士と私立保育園の保育士の給料の違い
給料がよいというイメージがある公務員保育士ですが、実際にはどうなのでしょうか。まず、公務員保育士の初任給は、各自治体ともおよそ16万円から18万円前後で設定されています。
この額は、一般的な私立保育園の保育士の初任給とそれほど大きな差はありません。ただし、それまでに私立保育園などで働いた経験があると「職歴加算」をされることがあります。そのため、初任給が少し高めでスタートするケースがあるのです。
また、公務員保育士は毎年昇給があることが多いため、勤続年数が長いと給料が自然と上がっていく傾向にあります。
ただ、昨今は各自治体が財政難であること、政府が積極的に私立保育園の処遇改善に取り組んでいることなどから、公務員保育士と私立保育園の保育士の給料の差は以前より少なくなってきました。
内閣府が発表した「令和元年度 幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 集計結果<速報>」によると、私立の常勤保育士の1人当たり給与月額は賞与込みで、30万1,823円(平均勤続年数11.2年)です。その一方で、公立の常勤保育士では、30万3,113円(平均勤続年数11.0年)でした。
このことから、勤続11年程度の比較では、公務員保育士と私立保育園の保育士との給料には、1,290円ほどしか差がないことがわかります。
公務員保育士と私立保育園の保育士の働き方・仕事内容の違い
公務員保育士と私立保育園の保育士は、どちらも子どもたちを適切に保育し、安全に配慮しながら心身の健やかな発達を促すという意味では、同じ仕事内容です。
公務員保育士と私立保育園の保育士の働き方でもっとも大きく異なるのが、人事異動でしょう。基本的に、私立保育園の保育士は人事異動がないためずっと同じ保育園で勤務することが一般的です。
ところが、公務員保育士は数年ごとに人事異動があり、退職までのあいだ、定期的に職場が変わります。
また、自分自身の異動は数年に1回であっても、毎年、同僚のメンバーの誰かが異動するのが一般的なため、一緒に働く顔ぶれが年ごとに変わるのが特徴です。園長も数年で異動します。
そのため、0歳児で預かった子どもが無事に卒園していくまで同一の保育園に所属することが難しいことも多く、すこし淋しさや物足りなさを感じる人もいるでしょう。
さらに、公務員保育士は、場合によっては、保育園勤務だけではなく、児童福祉施設やそのほかの公的機関へ異動する可能性があります。子どもたちと触れあえる現場業務ではなく、行政内部の仕事を任されるケースもあるでしょう。
公立保育園の保育方針を決めるのは、原則、各園の園長ではなく行政の長です。行政の影響を受けやすく、保育園の運営に関しても現場の事情にかかわらず大きな方針転換を求められることがあります。
なお保育の内容については、一般的には、私立保育園のほうが英語教育やリトミックなど付加サービスを提供する個性的な保育を実施していることが多いでしょう。公務員保育士が勤務する公立保育園のほうが、従来と変わらない保育を行なっているといえます。
公務員保育士と私立保育園の保育士の待遇の違い
公務員保育士は地方公務員ですから、条例などで定められた福利厚生や待遇が受けられます。そのため、通勤や住宅などに対する各種手当、保険や年金などの社会保障も充実している傾向です。
産休・育休の制度についてもしっかりと整備されています。各自治体によって内容は異なりますが、育児や介護にともなう時短勤務や休暇も決められているのです。
私立保育園は各園によって福利厚生や待遇が異なります。近年、厚生労働省が保育士待遇改善に力を入れているため、なかには公務員保育士と同等やそれ以上の待遇のところもあるでしょう。
公務員保育士の給与水準は?
内閣府の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査集計結果<速報値>」によると、公立保育所で平均勤続年数11.0年の一般保育士の給与月額は30万3,113円です。平均勤続年数25.1年の主任保育士では56万1,725円、31.8年の施設長では63万2,982円にいたります。
厚生労働省が発表する平成30年賃金構造基本統計調査によると、一般労働者全体の月額賃金は30代前半の男性で28万9,400円、女性で24万3,400円、30代後半では、男性32万5,200円、女性25万3,600円です。
また、厚生労働省がとりまとめた「毎月勤労統計調査(令和元年10月分)」によると、現在、日本の一般労働者全体の月間現金給与額は35万2,910円とされています。
このことから、公務員保育士の給与水準は、一般労働者の平均よりは高めであると考えられるでしょう。さらに、年功序列の傾向が強いため、長年働き続け責任あるポジションにつけば、比較的高額な水準に達します。
公務員保育士のメリット・デメリット
公務員保育士にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。ここまで見てきた特徴をふまえて、わかりやすく整理してみましょう。
公務員保育士のメリット
公務員保育士にはさまざまなメリットがあります。
(1)安定性
公務員保育士は、地方自治体の職員です。そのため、景気の動向に左右されにくいといえます。最悪の場合、経営母体が倒産や廃業してしまう可能性のある私立保育園に比べると安定性が高い職業です。
(2)給料が高い
前項で確認したとおり、私立保育園の保育士との差は少なくなってきているものの、公務員保育士の給料のほうが依然として高い水準にあります。
(3)福利厚生が充実
福利厚生についても、充実した内容だといえるでしょう。
各自治体によって若干の差はありますが、休暇について例をあげると、年次休暇のほかに、「病気休暇」「生理休暇」「子の看護休暇」「介護休暇」「ドナー休暇」など私立保育園ではあまり聞きなれないものも多いようです。
(4)社会的信用が高い
(1)(2)と関連して、一般的に公務員保育士は私立保育園で勤務する保育士よりも住宅ローンやクレジットカードの審査などが通りやすく、社会的信用が高いといわれています。
公務員保育士のデメリット
反対に公務員保育士として働くデメリットはどのようなものが考えられるのでしょうか。
(1)転勤がある
公務員保育士は異動が頻繁にあり、転勤が多い職業です。場合によっては、自宅から遠い保育園や施設に異動になることがあります。
また、異動は本人も直前まで知らされないことが多いため、急に慣れた職場を変わらなければならないこともあります。新しい環境で人間関係を作ることが苦手な人にとっては大きなストレスになるでしょう。
(2)採用試験の合格が必須
公務員保育士になるためには、採用試験に合格する必要があります。採用試験は出題範囲が広く、難しい問題が出題されることも多い試験です。また、自治体によっては競争率がひじょうに高い場合があります。
(3)保育方針が画一的
公立の保育園は、私立の保育園ほど多彩なカリキュラムを導入していないことが一般的です。行事やイベントも毎年変わりばえせず画一的な場合が多いでしょう。
裁量権をもっていろいろと取り組みたい人にとっては、すこし物足りなさを感じる可能性があります。
(4)試験を受けるには年齢制限がある
自治体によっても異なりますが、公務員保育士になるための採用試験には、一定の年齢制限が設けられています。
自治体によっては、毎年保育士の募集を行なうわけではないため、受験するチャンスのないまま年齢制限を超えてしまうというケースがあるのです。
保育園だけじゃない!公務員保育士の配属先一覧
保育士の勤務先として誰もが一番に思いつくのは保育園でしょう。けれども、公務員保育士の場合、配属先が保育園になるとはかぎりません。公務員保育士はどのようなところに配属されるのでしょうか。
公務員保育士の配属先
公務員保育士の配属先は多岐にわたります。具体的にいくつかの施設についてくわしく紹介しましょう。
(1)乳児院
厚生労働省によると、乳児院とは保護者の養育を受けられない乳幼児を養育する施設です。被虐待児の受け入れや、病児、障がい児の養育にもたずさわります。
乳児院に配属された公務員保育士は、乳幼児の養育だけでなく保護者支援も行ないます。退所後、親子がともに暮らせるように、相談や援助などのフォロー業務を担当する場合もあるでしょう。
(2)児童養護施設
児童養護施設は、乳児以外の保護者のいない児童を養育する施設です。虐待により保護者に監護させることが不適当な児童も入所します。
児童養護施設に配属された公務員保育士は、子どもたちの生活環境を安定させ、生活指導や学習指導を行ない、心身を健やかに成長させることで、将来の自立を促すことを努めます。
厚生労働省によると、児童虐待が増加する昨今、児童養護施設に入所する子どもの半数以上は虐待を受けた経験があるとされています。また、障がいをもつ子どもの割合も増加傾向です。
そのため、児童養護施設で働く公務員保育士には専門的な知識が求められます。
(3)児童発達支援センター
児童発達支援センターは障がいのある子どもたちが日常生活を送っていくうえで必要な療育や訓練を行なう施設です。福祉型と医療型の2種類にわかれます。
児童発達支援センターでは、公務員保育士は、障がい児に対して日々の基本的な動作を指導したり、集団生活に適応するための訓練を行ないます。
また、家族の悩みや相談に応じ、保育園や障がい児とかかわる施設などに適切な援助や助言も行ないます。
(4)保健センター
保健センターは地域保健法第18条に基づいて、市町村に設置される施設です。地域住民に対して、健康相談や保健指導、健康診査などを行ないます。
保健センターでは、公務員保育士は保健師などと連携しながら、子育てに悩む保護者のフォローにあたったり、児童相談所などと連携して虐待の早期発見に努めます。
(5)子育て世代包括支援センター
子育て世代包括支援センターは、母子保健法の改正により、平成29年4月から市区町村に設置が行なわれました。令和2年度末までの全国展開を目指していることから、今後、配属される公務員保育士が増えると予想されます。
これまでは、医療機関、保育園、保健センターなどがそれぞれ個別で担当していた妊産婦や乳幼児の支援を包括的に把握する機関として期待されているのです。
(6)母子生活支援施設
母子生活支援施設では、夫からのDVや貧困などさまざまな問題に直面する母子を保護し自立支援を行ないます。18歳未満の子どもと母親が一緒に入所するのが原則です。
母子生活支援施設に配属された公務員保育士は、母親と子ども双方の心身を安定させられるよう努め、自立的な生活を送っていくために必要な相談や援助を行ないます。
このほかにも、障がい児のための福祉施設、児童館などの児童厚生施設などへの配属も考えられるでしょう。
また、現場ではなく、保育士の加配や入所事務など保育運営や児童福祉全般を扱う統括的な事務方の部署に配置されることもあります。
このような配属は、近年社会問題となっている待機児童問題など地域全体が抱える喫緊の課題に対する、行政職員とは異なる保育士視点での取り組みを期待されてのことでしょう。
公務員保育士の雇用形態は?
公務員保育士の雇用形態はどのようになっているのでしょうか。公立の保育所で働く4種類の雇用形態に着目して説明します。
公立保育園で働くのは公務員保育士だけじゃない
公立保育所で働いている保育士は全員が公務員保育士というわけではありません。公立保育園で働く保育士には正規職員、臨時職員、嘱託職員、派遣保育士という4つの雇用形態が存在するのです。
(1)正規職員
正規職員は公務員採用試験に合格した公務員保育士です。通常、フルタイムで働き、固定給が支払われます。定期昇給があり、公務員として条例などで定められた福利厚生を受けられるのです。
仕事内容としては、担任や主任保育士、施設長などを任されることになるでしょう。書類作成や行事の準備など必要に応じて残業も行ないます。
(2)臨時職員
地方公務員法第22条第2項により、地方公共団体は臨時的任用を行なうことができます。この臨時任用職員のことを一般的に臨時職員と呼んでいるのです。
臨時職員の任用期間は6か月です。場合によっては、更新されるケースもあります。給与は月額や日額、時間給などさまざまです。交通費やボーナスなどについても募集内容によって異なります。
仕事内容としては、保育補助などを行なうことが多いでしょう。場合によっては担任になるケースもあります。
早朝保育や延長保育、休日保育など正規職員だけではフォローしにくい時間帯を中心とした募集も多いのが特徴です。
(3)嘱託職員
臨時職員とよく似たものとして嘱託職員があります。臨時職員と嘱託職員の大きな違いは、任用期間です。嘱託職員は、通常1年単位で募集されます。
そのため、嘱託職員は担任など責任ある地位を任されることもあり、採用時に経験やスキルを重視されることが多い雇用形態です。給与は月額で支払われるケースが一般的でしょう。
(4)派遣保育士
派遣保育士として公立保育園で働く保育士も多くいます。この場合、派遣保育士は人材派遣会社と雇用契約を結んでいますから、公務員保育士ではありません。
派遣保育士の場合は、時給制で給与が支払われるのが一般的です。交通費や休暇などの待遇面は、人材派遣会社の規定によって異なります。残業は雇用契約に含まれない場合が多いでしょう。
安定した公務員保育士と同じ職場で働けるため、ひじょうに人気があります。派遣保育士についての詳しい解説は以下のコラムをご覧ください。
公務員保育士になるには?採用試験について解説
公務員保育士になりたいと思ったら、採用試験に合格する必要があります。公務員保育士の試験の概要や試験内容、気になる勉強方法などを詳細に解説しましょう。
公務員保育士採用試験とは?
公務員保育士採用試験は、全国で一斉に実施されるのではなく、各地方公共団体が独自に行ないます。そのため、具体的な内容は各自治体によって大きく異なるのです。
4月からの新年度に向けて定期的に募集する場合、育休や病欠などの欠員を緊急に補充する場合など、採用の理由もさまざまです。
人員が足りている、あるいは臨時職員などの補充で対応すると判断されると、年間を通して募集がない自治体もありますので、受験したい市町村の募集動向に注意しましょう。
それでは、公務員保育士の採用試験について、受験資格や募集人数、倍率や難易度などについてくわしく見ていきます。
公務員保育士採用試験の受験資格は?
公務員保育士採用試験を受験するためには、保育士資格が必要です。4月採用などの場合で、受験要項などに「令和2年3月31日までに資格を取得し、上記の登録を受ける見込みの方を含む」といった記載がある場合は、取得見込みでもかまいません。
児童福祉法第18条の18により、保育士として働くためには、保育士資格をもっているだけでは不十分で、保育士としての登録が必要です。
そのため公務員保育士採用試験の受験資格としては「保育士となる資格を有し、都道府県知事による保育士登録証の交付を受けている方」などと定められているのが一般的でしょう。
ほとんどの自治体では、公務員保育士採用試験の受験資格として年齢制限を設けています。たとえば、東京都荒川区の令和元年度の採用試験の年齢制限は、「昭和57年4月2日から平成12年4月1日までに生まれた方」です。
このように、だいたい30代半ばを過ぎると、公務員保育士の正規採用という形で受験できる自治体は少なくなってしまうでしょう。
公務員保育士採用試験の募集人数や倍率は?
公務員保育士採用試験の採用予定人数は、希望する自治体によって大きく異なります。また、同じ自治体であっても、退職者数や欠員数は年度によって違いますので、募集する人数も毎年変更されるでしょう。
例年、公務員保育士は人気がありますから、倍率は高めの傾向にあります。一例をあげると、平成30年度の大阪市の採用試験では、大卒の受験者90名に対して合格者は17名、短大卒は受験者108名に対して合格者は30名でした。
単純計算しても大卒の倍率は5倍を超えています。千葉県でも平成30年度の採用試験の倍率は4.0倍でした。この状況を考えると公務員保育士採用試験の合格は狭き門だといえるでしょう。
一般的に公務員試験の倍率は、不況になるとさらにあがるといわれています。公務員保育士を目指す場合には、景気の動向にも注意を払う必要があるでしょう。
公務員保育士採用試験の募集時期は?
公務員保育士の採用試験の募集時期は自治体ごとに違います。また、同じ自治体でも、採用を開始する時期や欠員が生じたタイミングによって変わってくるでしょう。
新年度となる4月からの採用を予定する場合は、前年の6月から9月ごろに採用試験が行なわれるのが一般的です。東京都の特別区は毎年8月の第4日曜日に実施されています。
大阪市の保育士採用試験は地方上級公務員試験の集中実施日にあわせ6月下旬ごろです。9月下旬に多く行なわれる保育士以外の地方公務員採用試験日やその前後の時期にあわせて実施する自治体もみられます。
願書の提出や申込期間は、通常、試験日より1 ~ 2か月前になりますから、早い自治体では前年の4 ~ 5月ごろから情報収集を始める必要があるでしょう。
このほかにも、採用候補者が足りなくなった場合や緊急の補充が必要になった場合には、随時募集が行なわれます。1月ごろになって4月からの採用試験を行なうケースもありますので、こまめに自治体のホームページなどをチェックしておきましょう。
公務員保育士採用試験の難易度や合格基準は?
公務員保育士採用試験の難易度や合格基準は正式には発表されていません。ただ、採用試験は資格試験とは異なり何点取れば合格というものではなく、受験者全体の得点上位者から順に合格するものです。
そのため、倍率が高い自治体はやはり合格基準や難易度が上がることになるでしょう。全体の7割程度の点数は取れるように準備しておきたいところです。
公務員保育士採用試験の試験内容は?
公務員保育士採用試験の内容は自治体によってさまざまです。一次試験は、一般教養や専門知識を確かめる問題、作文や小論文などの記述問題といった筆記形式での出題が多いでしょう。
二次試験では、実技や面接を行なうのが一般的です。実技では、ピアノや製作、体力測定などが課せられることがあります。面接の形式も集団、個別などいろいろなパターンがあるでしょう。
実際に公務員保育士の採用試験を受ける際の手順は?
実際に公務員保育士採用試験を受験するための手続きを大阪市の令和元年の採用試験を例に見ていきましょう。
まず、4月ごろホームページで公務員保育士の募集が告知されますので、採用要綱をよく読み、5月8日 ~ 17日にインターネットで申し込みを行ないます。
5月末ごろから受験票がダウンロードできますので、かならず6月19日までに自身で印刷し、写真の添付や必要事項の記入を済ませましょう。6月23日が一次試験の受験日です。
7月23日に一次試験の合格発表があり、通過した人は8月8日か9日の指定されたどちらか1日に二次試験を受けます。そして、8月23日に最終的な合格発表が行なわれるという流れでした。
公務員保育士採用試験に受かる人になる!勉強方法をご紹介!
公務員保育士採用試験の筆記試験では、教養での得点獲得が重要です。大学や短大などで学んだ専門知識は興味関心も高く記憶も新しいですが、一般教養は高校時代までの学習範囲のため、得意不得意に差が出やすい部分であるためです。
国語、数学、理科、社会、英語のすべてをバランスよく網羅して学習を進めましょう。過去問を何度も解き、苦手な分野を徹底的に復習するのがおすすめです。
専門知識は、保育と福祉の分野が問われます。どちらも毎年のように法改正や新制度が導入されている分野です。時事問題に注意しながら最新の知識を身につけましょう。
作文や小論文は頻出のテーマを中心に学習します。模範解答を読むだけでなく、自分で実際に書いてみることが大切です。公務員保育士採用試験のための対策講座を受けるのもいいでしょう。
面接対策も忘れずに行ないましょう。公務員のコンプライアンスが叫ばれる現代では、公務員保育士の採用でももちろんこれまで以上に人間性が重要視されます。緊張に押しつぶされず、自分の長所を最大限にアピールできるよう繰り返し練習しましょう。
自治体によっては実技試験が必須の場合があります。ピアノの演奏などは一朝一夕では対応できませんから、早めの対策を心がけましょう。
公務員試験に合格しても就職できない場合って?
公務員保育士の採用試験は、合格しても就業がかならずしも確約されているわけではありません。公務員試験に合格した保育士は、採用候補者名簿に1年間登録されることになるのです。
各保育園で欠員が出れば、採用候補者名簿の中から補充人員が決められます。そこで選ばれてはじめて公務員保育士としての勤務が正式決定するのです。もし期間中に採用がなければ、もう一度受験する必要があります。
私立との併願や派遣の仕事と両立しながら公務員保育士を目指そう
このように公務員保育士はメリットも多く人気のある仕事です。はやくから正確な情報を集め、しっかりと準備をして合格を目指しましょう。
ただ、公務員保育士は毎年採用が必ずあるわけではなく、合格後も不安定な状態が続きます。私立との併願は必須だといえるでしょう。
また、倍率の高い公務員保育士採用試験の勉強にはたくさんの時間がかかります。そのためある程度時間の融通がきく派遣保育士として働きながら、勉強に取り組むのもおすすめです。
「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスは、保育の分野で人材紹介サービスを20年以上続けており、転職エージェントとして保育士の皆様のご就業をサポートしています。
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監修者 PROFILE
和氣 タイ子 Waki Taiko都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。