紙コップを使った簡単工作!~ 年齢別の遊び方をご紹介 ~
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#日々の保育
作成日 2022/12/21
更新日 2023/08/17
紙コップを使った簡単工作!~ 年齢別の遊び方をご紹介 ~
身近にある紙コップで簡単に作ったちょっとしたおもちゃ。誰もがこのおもちゃで遊んだことがあるのではないでしょうか。切ったり、重ねたり、絵を描いたり、シールを貼ったり、紙コップは子どもでもとても扱いやすい素材です。そのため、保育現場でもとても重宝されています。紙コップを材料としたおもちゃの製作は、年齢によっていく通りにもなり遊び方はどんどん膨らませていくことができます。ほんの少しの工夫で、子どもがぐっと成長できるおもちゃが、紙コップを使った工作、遊びなのです。
今回は、そんな紙コップを使った簡単な工作や、遊び方を見てみましょう。おもちゃの製作手順や必要な材料、効果的な声かけの内容なども合わせてご紹介します。
目次 |
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とっても簡単!紙コップを使った工作と遊び
「紙コップを使った遊び」と言われて、いくつの遊びを思いつきますか?紙コップを使った遊びは複雑な手順が不要で、種類もたくさんあります。
すぐに手に入る紙コップで遊びを膨らませよう
特別なおもちゃを買わなくても、すぐに安く手に入る紙コップを使った工作で、簡単におもちゃが作れます。0歳児だから難しいのではないか、5歳児だから簡単すぎて楽しくないのではないか、などの心配は無用です。どのように遊びを膨らませるかによって、年齢や発達段階にかかわらず紙コップでの遊びを楽しむことができます。
【年齢別】紙コップを使った工作が発達に与える効果とは
積み木の例を挙げると、0歳児では握る、口に入れる、という遊びであったものが、5歳児では家を作る、どこまで積み重ねられるか友だちと競争するという遊びになります。 このように、シンプルなおもちゃを使った遊びが与える効果は、年齢別に異なってきます。まずは、紙コップを使った遊びの効果を年齢別にご紹介します。
0歳児 なんだこりゃ!発見と出会いのきっかけ
0歳児は、見るものすべてに興味を示します。それはおもちゃとしてではなく、目の前にある興味深いものとして認識しています。目の前にある紙コップのおもちゃを、まずは掴み、触感で脳を刺激し、口に入れ、形や硬さを確認します。ちょっと手が当たっただけで紙コップは転がり、かじっている間に破けるかもしれません。そんな思いもよらない動きをすることに対し興味を持ち、素材の変化を存分に楽しもうとします。
紙コップのおもちゃ、というよりも紙コップそのもので0歳児は遊びます。手や口で存在を確認し、目の前に溢れている知らないものや面白そうなものと出会うきっかけとなっています。
1 ~ 2歳児 どんな楽しみ方ができるかな?
マラカスや紙コップのバケツなど、ものの数分でできる紙コップのおもちゃで遊べるようになる1 ~ 2歳児。紙コップというよりも、音の鳴る楽しいもの、好きなおもちゃを入れられる便利なものとして、紙コップのおもちゃで遊びます。0歳児とは違い、掴んだり口に入れたりしなくても遊べます。軟らかい紙コップは力を入れると潰れて、大切に扱わないとすぐにボロボロになってしまうことなどを知り、理解できるようにもなってきます。
1歳児では、マラカスを振って歌を歌ったりバケツを持って歩き回ったりなどという遊び方が、2歳児ではマラカスやバケツに絵を描いたりシールを貼ったりと、自分だけのオリジナルのおもちゃにし始めます。
3 ~ 5歳児 自分だけのおもちゃを作ってみよう!
3 ~ 5歳児になると、ハサミやクレヨンなどを使って工作が楽しめるようになります。ただ与えられた紙コップのおもちゃで遊ぶだけでなく、自分で切ったり貼ったり描いたりして製作します。紙コップはハサミですぐに切れて、絵も描けます。子どもたちにとって扱いやすい素材なので、どのようなおもちゃを作るか、どのように仕上げるかなど、こちらの言葉かけ次第で存分に楽しめます。
【年齢別】人気の紙コップ工作・遊び方をご紹介
人気の紙コップ工作でできたおもちゃは、年齢によって遊び方が異なります。それぞれの年齢に合った紙コップを使ったおもちゃの遊び方や工作方法、言葉かけや働きかけのポイントをご紹介します。
0歳児・マラカスで遊ぼう!
0歳児とはいえ、発達段階はさまざまです。まだ首も座っていない生後数か月の子どもも、もうすぐ1歳の子どもも楽しめるのがマラカスです。0歳児が紙コップ工作で遊ぶときに、マラカスは比較的簡単に導入できます。
・紙コップ 2個
・乾燥マカロニ 数粒
・セロハンテープ、もしくはマスキングテープ
・太めのリボン 数センチ
作り方はとても簡単で、紙コップに乾燥マカロニを入れ、ふたつの紙コップを合わせてテープでとめるだけで完成です。まだ手が小さいので、バンド状にリボンを貼り付け、そこに手を通し固定されるようにすることで、簡単に振ることができます。
乾燥マカロニを入れる様子。
完成です!振るとシャカシャカと音がします。
手遊びや童謡などに合わせて、歌いながら振って遊んでみましょう。「きれいな音がするね」「カシャカシャ鳴るね」など、その場で感じたことを言葉にして伝えるだけで、子どもたちは楽しめます。
1歳児・シールを貼ってマイバッグを作ろう!
自分でやりたい、という思いが強くなる1歳児。そんな発達に合わせて、人気のシールを貼って素敵に紙コップ工作を仕上げる、マイバッグを作ってみましょう。
・紙コップ 1個
・リボン 30センチほど
・シール つまみやすい大きさで、剥がしやすいもの
紙コップに子どもたちがシールを貼ります。思う存分貼ったら、保育士がリボンを通して完成です。 自分でシールを貼って完成した!という満足度の高いおもちゃとなるでしょう。シールはつまみやすく剥がしやすい大きめのものを選び、シール貼りに集中するあまり紙コップを握りしめないように、ときどき声をかけてあげましょう。
いろんなシールを用意するとより楽しくできます。
飲み口近くに横に切れ込みを入れて、リボンを通し、セロハンテープなどで内側に貼り付けます
内側をセロハンテープで止めた様子
手作り紙コップバックの完成です!
でき上がったマイバッグは、ままごとに使ったり、園庭での葉っぱや木の実拾いに使ったりと、たくさん活用できます。
2歳児・みんなで魚釣り!お魚を作ろう!
作って満足するだけでなく、さらに友だちと一緒に遊べることで子どもたちに人気の、紙コップで魚釣り用のお魚を作ってみましょう。
◆お魚
・紙コップ 4 〜 5個
・水性ペン
・シール
・マグネットシート
・色紙
◆竿
・新聞紙
・ひも 30センチほど
・磁石
お魚は、紙コップに好きなように模様を描いたりシールを貼ったりしてオリジナルを作りましょう。ヒレ部分は保育士があらかじめ色紙を切っておき、貼り付けてもいいでしょう。飲み口部分には、マグネットシートを付けておきます。
あまり形にこだわらず、子どもたちに自由に描いてもらうのもよいです
コップの内側にテープでマグネットシートをとりつけましょう
竿は新聞紙を細長く丸めてセロテープでとめ、その先にひもを付けます。ひもの反対側に磁石を付けて紙コップ工作の完成です。
チラシを数枚か重ねてもよいかも
まずは、じっくりと紙コップに絵を描いたりシールを貼ったり、製作過程を楽しみましょう。じっくりと落ち着いて取り組むことで、集中力が養われます。 マグネットシートの代用に、クリップを使うこともできます。しかし破損しやすく、針金が使われていることが多く、破損した場合危険であるため、極力使用を避けたほうが安全に遊ぶことができます。
完成後は、自分の作品で十分に遊ばせます。ひもの先に磁石が付いているので、ひもが揺れて最初はなかなか思うように魚が釣れません。その状況も楽しめるように「そっとひもを垂らしてごらん」「ゆっくりね」などと声をかけましょう。魚が釣れたら、「やったね!」と喜びにしっかりと共感し、できた喜びを味わったり自信を高めるきっかけにしたりできるように工夫しましょう。
ひとりでじっくりと遊び込めたら、今度は周りの友だちと一緒に釣ったり、どちらが多く釣れるか競争したりと、魚釣りの遊びを膨らませていきましょう。ここでの友だちとの経験は、楽しかった思い出や他者とのかかわりのきっかけ作りとなります。 このお魚や竿は、家庭でも作れます。一度だけ作って紙コップ工作を楽しむのではなく、家庭にある紙コップを使って、あらためて遊ぶことができます。
子どもたちが楽しんでできるよう声掛けをしましょう。
3歳児・膨らませて遊ぶ!人気のビニールおばけを作ろう!
紙コップだけでなく、少しずつ使う材料を増やして製作もしっかりと楽しめる、ビニールおばけを作りましょう。
・紙コップ 1個
・ストロー 1本
・ビニール袋 1枚
・セロハンテープ
・油性ペン
・シール
紙コップとビニール袋に、油性ペンで好きな絵を描きます。水性ペンで描くとせっかく描いた絵がにじんでしまうので、手につかないよう注意を促しながら、油性ペンでのお絵描きを楽しみましょう。シールを貼っても可愛いですね。また、紙コップは形が立体的で絵を描きにくいので、自分でしっかりと持ったり、ときには保育士が支えたりして、描きやすい工夫をしましょう。
いろんな色のビニールを用意してもいいかもしれません
紙コップの底付近に、ストローが通る程度の穴を開け、ストローを通します。紙コップ内部のストローの先に、先ほどのビニール袋をセロハンテープでしっかりと止めます。このとき、空気が入らないように注意しましょう。ここまでできたら完成です。
穴をあけてストロー通しましょう
ビニールを付けてからストローを紙コップに通してもよいです
ストローの先から息を吹き込むと、中のビニール袋がムクムクと膨らんできて、まるでおばけのように見えます。息を吹き込むだけで見える変化に、子どもたちも大喜びです。ただ膨らませるだけでなく、どうやったら早く膨らむか、誰のおばけが素敵かなど、3歳児ともなると自分たちで会話を繰り広げるようになります。その会話を楽しみつつ、紙コップで簡単にできる遊びを楽しみましょう。 もし、なかなかビニールが膨らまないのであれば、ストローを短くしたり、ビニールの先を結んで空気が入る容量を減らしたりすることで、簡単に膨らむようになります。
膨らませるだけで子どもは大喜びしてくれます
ビニールの先を結んだ様子
4歳児・ジャンプ人形を作ろう!
紙コップと輪ゴムを使い、紙コップがジャンプするおもちゃを作りましょう。
・紙コップ 2個
・輪ゴム 2個
・水性ペン
・色紙
・のり
・ハサミ
2個の輪ゴムを、はちの字状につなげます。ジャンプする方の紙コップの口部分(12時、3時、6時、9時)4箇所に切れ目を入れ、輪ゴムをひっかけます。ジャンプする方の紙コップには、好きなように絵を描きましょう。色紙で耳を付けたり、手を付けたりすることで、動物や人形に見立てることができます。土台となる紙コップは何もしていませんが、これで完成です。
ジャンプする方の紙コップ。輪ゴムをひっかけた様子
輪ゴムがかかっていない面に絵を描きました
何もしていない土台の紙コップに被せます
土台にギュッと押し付けます
手を放すとピョンっとジャンプします
土台の紙コップの上に、輪ゴムを付けて絵を描いた紙コップをぎゅっと押し付けます。そしてパッと手を離すと、ピョン!と紙コップがジャンプします。もっと高く跳ばそうと、一人でも何度も遊べます。難しそうにしている子どもがいたら、パッと素早く手を離すのがコツだということを伝えましょう。「さっと手を離すよ」「いちにの、さん!で手を離すよ」など手を離すタイミングを伝えてあげるだけで、楽しく遊べます。
4歳児よりも幼い子どもでも楽しめそうなおもちゃですが、紙コップを押し付ける力加減や、素早く手を離すタイミングなど意外と難しい部分があります。自分でできる喜びを味わうためにも、ある程度自分でできる年齢で試してみてください。
5・6歳児・自由自在!犬の操り人形を作ろう!
ひとりで完成させるには少し難しい、紙コップ工作。でも完成したときの喜びと面白さはピカイチの操り人形を作りましょう。
・紙コップ 3個
・割り箸 1膳
・タコ糸 1メートルほど
・色紙
・ハサミ
・セロハンテープ
1個目の紙コップを、底の部分を左(もしくは右)に向けて横に寝かせて置きます。そして底の部分を鼻先に見立てて、犬の頭とします。自由に目や口を書きましょう。そして、飲み口部分に切り込みを入れて耳にします。
切れ込みの入れ方次第でいろいろ楽しめます。今回はたて髪があるようなスタイルです
2個目の紙コップは、胴体部分なのでそのままで置いておきます。3個目の紙コップは、飲み口部分から底に向けてまっすぐ1センチ幅くらいに切っていき、足4本、しっぽにします。
頭と胴体、手足をつなぎ合わせる前にまず並べてみます
まず、顔と胴体部分をセロハンテープで一か所止めておきましょう。次に、タコ糸の端を胴体の紙コップの底部分に貼り付けます。そのまま顔に見立てた紙コップの耳の後ろ部分に貼り付けます。タコ糸の反対の端は、胴体お尻部分に貼り付けましょう。
反対向きに倒して、顔と胴体をセロハンテープでとめ、タコ糸を3か所テープでとめた様子
分かりやすく色を付けた様子。(1)で顔と胴体をくっつけ、(2)~(4)の順にタコ糸をテープでとめていきます。あとで吊るしますので、(3)~(4)の間はタコ糸を長めにしておきましょう
吊るして後ろからみた様子
その後で、しっぽと足を付けましょう。セロハンテープで貼ってもいいですし、タコ糸でくくりつけてもいいでしょう。 タコ糸が輪になった部分に割り箸を貼り付ければ、持つときにバランスが取りやすくなります。
すべてのパーツをつけました
完成です!タコ糸が長すぎる時は、割りばしを回して調節できます。
今までのおもちゃに比べると、ぐっと難しくなった紙コップ工作のおもちゃ。5歳児でも手間取る部分が多くあるかもしれません。しかし、これが完成したときの喜びや遊ぶ楽しさは大きいでしょう。紙コップの人形が勝手に動いている、踊っているように見えるおもちゃは、子どもたちも大満足です。
自分で動かして遊ぶだけでなく、ごっこ遊びや劇遊びなど、5歳児となるとたくさんの遊びにつなげていけます。こちらからの遊びの提案だけでなく、子どもたちから出てくる遊びのアイディアをしっかりと拾い上げるようにしましょう。
紙コップ工作の遊びの幅は無限大
紙コップは、工夫次第でたくさんの遊びができます。そして、遊びの中での学びや成長のきっかけは年齢ごとに異なり、その一つひとつの経験すべてが子どもの成長へと繋がっていきます。
紙コップの手作りおもちゃはじめ、保育の引き出しを増やしたいあなた!わたしの保育を運営するテンダラビングケアサービスでは、保育士に向けの無料研修を行なっています。ぜひご参加ください。
ぜひ、身近にある紙コップを使って遊びを楽しみ、膨らませていってください。子どもたちの素敵な笑顔が見られるはずです。
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都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。