身近なもので創作遊び!小麦粉粘土の作り方、遊び方
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#日々の保育
作成日 2019/04/18
更新日 2023/04/28
身近なもので創作遊び!小麦粉粘土の作り方、遊び方
「小麦粉粘土」というワードはよく聞きますね。子ども用品店や、最近では100円均一でも手に入れることができる、身近な粘土です。実はこの小麦粉粘土、簡単に作ることができるのです。子どもと一緒に楽しく遊ぶコツもあわせてご紹介します。
目次 |
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雨の日遊びの定番、小麦粉粘土とは
小麦粉粘土とは文字通り、小麦粉を材料にした粘土のことです。油粘土よりもベタベタとせず、簡単に手作りができて、そのままでも色をつけても楽しめます。また、普通の粘土では誤飲の関係から難しい1歳のクラスでも扱うことができ、身近にあるもので準備ができるので急な雨の日の活動に取り入れられます。保育士が知っておくといざというときに便利で、子どもも好きな子が多く集中して楽しめる遊びです。
シンプルな素材で広がる遊び。小麦粉粘土の魅力って?
小麦粘土の魅力を大きく6つ紹介します。
【魅力1】低年齢から扱える安全性
小麦粉粘土の材料は、小麦粉、油、塩、水のみ。基本的にはすべて食品で作ることができるので、口に入れても大きな危険がないことが大きな魅力のひとつです。
【魅力2】科学的な視点
作る過程を子どもたちと共有することで、科学的な視点を養うこともできます。材料を入れて混ぜていくと少しずつ固まっていったり、水を入れすぎるとゆるくなったり……形状の変化を体感することで、「どうしてだろう?」「なんで?」という科学的な好奇心がわいてくるのです。
【魅力3】造形表現の手法が学べる
食紅を利用するとカラフルな粘土を作ることができます。混色もできることから、「赤と青を合わせたら紫になる!」といった色彩感覚を養い、その後の造形表現へとつながっていきます。
【魅力4】自由度が高い
ただ感触を楽しむだけでもよいですし、恐竜や動物を作ったり、型を取ってクッキーのようにしたりと、子ども一人ひとりが自分の能力や興味に合わせて遊びを展開できます。また、土曜日などの異年齢保育のときにも年齢に関係なく遊べるのでよいでしょう。
【魅力5】手指の動きの発達に役立つ
小麦粉粘土をこねたり、成形したりする過程で手指を存分に使います。手指の動きの発達が著しい乳幼児期に手指をたくさん使うことは、ボタンをつけたり、お箸を使ったりといった日常の動作のスムーズさにつながっていきます。
【魅力6】製作を通して見通す力がつく
決まったものを作ろうと思ったときに「何をどういう順番に組み合わせればいいのか」を計画する力が必要になります。粘土遊びは、色の違う粘土を組み合わせる必要があったり、適切なタイミングで道具を使ったりと、製作を通して先の見通しを立てる力が備わっていきます。
思い立ったらすぐできる!簡単小麦粉粘土の作り方
では、小麦粘土で遊ぶために必要な材料、作り方の手順そして保存方法を紹介します。
小麦粉粘土の材料
・小麦粉 500g(小麦アレルギーの子がいる場合、米粉でも代用可)(2 ~ 3人分)・水 300ml(季節によっても硬さが変わるので調整しながら入れます)
・油 ひとたらし (仕上がりをなめらかにします)
・塩 少々 (防腐剤の役割を果たします)
・食紅 適量 (色に合わせて調整します)一般的に売っているのは赤・黄・緑が多いですが、青があると混色がしやすく便利です。
小麦粉粘土の作り方手順
(1) 小麦粉を大きめのボールに入れます。子どもと一緒にこねる場合、大きめのほうが散らばりにくいためです。
(2) 塩、食紅を入れて混ぜます。食紅は色の様子を見ながら量を決めます。
(3) 油を入れてさらに混ぜます。
(4) 水を好みの硬さになるまで入れながらこねます。
(5) 完成です!
※ 形状変化、色の変化がとても面白いため、時間があれば子どもと一緒にやりましょう。
※ 一度にいろんな色を作る場合はボールを複数準備することをお勧めします。なければ、できあがった小麦粉粘土に食紅を混ぜこむこともできますが、力が必要です。
食紅の混色の目安
オレンジ | 赤+黄 |
クリーム色 | 黄を少なめに |
ピンク | 赤を少なめに |
紫 | 赤+青 |
茶色 | 赤+青+黄 |
小麦粉粘土の保存方法
冷蔵庫で保存をします。タッパーやラップなどを使用し、空気に触れないようにしてください。3日程度保存が可能です。子どもが使うものなので、しっかり状態を確認してから使ってください。乾燥し始めても水を追加すればもう一度遊べます。
食品でできているので、紙粘土のように長期間作品を保存するのには向いていません。その場の遊びを楽しんだら、片付けることを事前に伝えておきましょう。
知育玩具に負けない!自由自在な遊び方
小麦粉粘土の遊び方を紹介します。
【準備】机や床にビニールシートを設置する
小麦粉粘土を始める前に、まず環境づくりをします。机がある場合は机に、机がない場合や子どもの人数が多い場合には床にビニールシートを設置します。粘土はくっつきやすいので、机や床になるべく落ちないように大きさには余裕を持てるとよいでしょう。片付けのさいには多めの水を含ませた雑巾で拭くときれいに落とすことができます。
【作る】真ん中にボールを置いて一緒に作る
子どもたちが囲めるようにボールを置き、保育士がしっかりとボールを支えながら持ちます。そこに少しずつ材料を入れていって形状の変化を楽しみます。3歳以上で、人数が少ないときなどは一緒に混ぜたりこねたりしてもよいでしょう。全部をやらせてあげられない場合でも、水を入れたり、塩を入れたり、部分的にでも手伝う場面があると積極的に関わろうという意欲がわきます。1歳 〜 2歳前半では、作ったものを提供するだけでもよいでしょう。
【導入】まずは子どもたちの様子を見守ろう
初めて粘土遊びをする場合や久しぶりに遊ぶ場合は、まずは粘土をかたまりで提供して、子どもたちがどのように反応するかを見守りましょう。すぐに触る子もいれば、躊躇する子がいたり、ちぎって遊ぶ子、ひたすら感触を確かめる子、指をさしてみる子、丸め始める子など、それぞれ思い思いに遊びを展開し始めます。遊びのきっかけを子ども自身が作り出す創造性のタネがそこにあるので、少し見守った後に、子どもがしている遊びを広げる道具を出すようにしてみてくださいね。
【道具 1】紙コップや皿
丸めたりちぎったりしたものを入れることができ、ままごとの要素も入った紙コップや皿は粘土遊びで大活躍のアイテムのひとつ。コップの中に粘土を入れて飲む真似をしたり、お皿に盛ってご飯にしてみたりと、見立て遊びを楽しむのにぴったりです。
【道具 2】 麺棒
手先の動きが器用になると、麺棒で伸ばすことができるようになります。丸めて伸ばして、伸ばしたものを重ねたり、ピザのように別の色をトッピングしたりと、粘土が平らになることで遊びが広がります。
【道具 3】型抜き
型抜きも、子どもが好きな遊びのひとつです。お菓子作りと結びついていることもありますが、かたどるときの感触、抜くときの繊細な指使いなど、子どもの手指の発達を存分に活かせるのが楽しい理由です。2歳くらいから使える子が増えてきます。
【道具 4】 板
ボールの形に丸めている子が多きときは、板を渡してコロコロ転がす遊びをしてみても面白いでしょう。大きさや形によって転がる速さや動きが違うことなど、子どもにとっては不思議がいっぱいの探求の時間になります。
【道具 5】 粘土べらなど細かい作業に使う物
粘土べらや粘土カッターなど、いわゆる粘土遊びに使う道具は、年齢が上がって作りたいものが出たときに活躍します。どの道具がどのように機能するかなどを友だちと一緒に試行錯誤しながら使っていけば、自然と協働が生まれてきます。作りたい明確なものがある場合は、小麦粉粘土の色を相談しながら作ると、遊びが広がっていきますよ。
このほか、新聞紙や自然物などの異素材など、いろんなものと組み合わせて遊べるのがシンプルな粘土遊びの魅力です。子どもの興味に寄り添って、新しい遊び方をどんどん見つけてくださいね。
小麦粉粘土で遊ぶ際の注意点
小麦アレルギーの子どもがいる場合にはとくに注意すべき遊びです。自分のクラスだけでなく、他クラスにいる場合にも、粉の成分が何かの拍子に飛んでいかないとも限りません。その場合は、他クラスにも相談をしてから実施しましょう。小麦粉の使用が難しい場合は米粉でも代替できるため、米粉粘土に変更して遊んでもよいでしょう。
食品でできているとはいうものの、多くの子どもたちが触るもの、そしてなまものでもあるので、誤飲は好ましくありません。始まる前にしっかり子どもたちに伝え、活動が始まってからも注意して見守るようにしましょう。
また、食紅は服につくとなかなか取れないので、食紅を扱うときは保育士がある程度混ぜた後に子どもたちに渡すようにしましょう。
小麦粉粘土で遊ぶ際には、保育士は子どもたちがどのように遊んでいるか、何に興味を持っているかをしっかり観察するようにします。そこから、子どもに寄り添いながら必要なサポートをするようにしましょう。また、時間が経つと小麦粉粘土が硬くなったり、ビニールシートにくっついて扱いづらくなったりすることがあります。その場合には水を足す、一度こね直すなど、子どもが扱いやすい状態を維持するようにします。
手先を動かしてこねているだけでも楽しいのが小麦粉粘土です。立体造形が苦手だなと思っていても、一緒にぜひ楽しんでみてくださいね。
魅力がいっぱいの小麦粉粘土を楽しもう!
小麦粉粘土は、いろんな面で子どもの成長によい影響を与えるだけでなく、子どもが好きな活動のひとつです。ぜひ、自分の保育の引き出しにしまっておいて、必要なときに取り出してクラスでやってみてくださいね。
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保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰
(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。1歳男児の母。 http://www.noasobicco.com/