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コラム

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#子どもの心と体

作成日 2022/12/19

更新日 2023/08/17

1歳児の特徴って?発達発育とお世話のポイント

どんどん歩く1歳児

心身ともに著しい成長を遂げる1歳児。毎日さまざまなチャレンジをして、失敗を繰り返しながら自我を確立していきます。お友だちとの衝突が増えたり、いたずらをしたりと、大人にとって嬉しくない行動も出てきますが、それも成長の証です。1歳児の特徴を知って、毎日の保育に活かしていきましょう!


目次

1歳児の保育について学びたいあなた!わたしの保育を運営するテンダラビングケアサービスでは、保育士に向けの無料研修を行なっています。ぜひご参加ください。

テンダーラビングケアサービスの実技研修の様子


どんどん世界が広がる!1歳児の発達

可能性と元気あふれる1歳児イメージ

1歳前後で歩き始め少しずつ動きが安定すると、次は走ったり飛んだりと、動きがぐっと多彩になるのが1歳児です。


【身体】歩き始めて走り回る!動きが大きく変わる時期

基本的な運動能力の発達は2歳くらいまでに終了すると言われており、この時期の急成長をうかがい知ることができます。台や階段をよじ登ったり縁石を歩いたりと、興味のあることには積極的にチャレンジしていくので、見守りとサポートが欠かせなくなります。公園では滑り台などの遊具にトライする子も出てきます。

まだ体のバランスを保つ力が不十分なので、転倒・落下などの危険が大きい時期です。すぐに対応できる位置で見守ります。手先の器用さも増してきて、集中して細かい遊びをすることも増えてきます。クレヨンなどでの殴り書きや、積み木、ブロックなども少しずつ扱えるようになり、お花摘みやシール貼りなどが楽しくなるのもこの時期です。時間帯などによって静と動のバランスをとりながらいろいろな活動に触れさせてあげましょう。


【心】言葉に出来ない感情に寄り添う

欲求がどんどんと湧いてくるのに言葉がなかなか追いついてこない時期です。泣いたり怒ったり、時にひっくり返ったりと、感情の起伏を全身で表します。 友だちへの共感が芽生えるために関わり合いが増え、かみつきやひっかき、おもちゃの取り合いなどのトラブルが増えてくる時期でもあります。「ぼくも遊びたい」「あのおもちゃはきっと楽しいにちがいない」といった思いから、ケンカへと発展していくのです。また、大人からみると「いたずら」に見える行為を探究心や興味からやってしまうこともでてきます。

発生した行動に対しては、まず、子どもの立場に立ってかかわることを忘れないようにします。そして、一語文から子どもの思いを汲み取って言語化して満たしてあげましょう。主張を認めて気持ちに寄り添うことがこの時期の子どもたちにとってとても重要です。


【言葉】言葉のストックを増やす時期。保育士の言葉かけが大切

1歳前後で「ワンワン」「まんま」などの一語文が出始めて、1歳後半には「ワンワン、いた!」などの二語文になっていきます。子どもから出る言葉はまだまだ少ないですが、大人の言っていることは大人が思っている以上にしっかりと理解しています。いけないこと、危険なことはわかりやすい言葉で繰り返し伝えるようにしましょう。大人の言葉の真似をしながら覚えていく時期でもあるので、保育士の口癖がうつってしまって驚くこともあるかもしれません。

2歳以降になると語彙数が突然増え、一気におしゃべりが上手になる「言語の爆発期」が到来しますが、その土台は1歳のころの言葉のストックにあります。言葉にできない思いを保育士や保護者が言葉にして代弁することで、語彙を増やして習得していきます。絵本や歌などからもどんどん言葉を習得していくので、遊びの中で意識して取り入れてくださいね。


知っておこう!1歳で受ける予防接種

1歳になると2回目の予防接種のラッシュがやってきます。0歳時に連続接種していても、間が空くので、親も忘れがちで注意が必要です。以下、1歳台の主な定期接種です。

1歳0か月
MR(麻しん風しん混合)1回目
水ぼうそう 1回目
おたふく風邪 1回目

1歳1か月(上記から4週間以上後)
ヒブ 4回目
小児用肺炎球菌 4回目
4種混合 4回目

1歳3か月
水ぼうそう 2回目

※KNOW★VPD 予防接種スケジュールより

接種時期を過ぎたら接種をしたかを保護者に確認し、必要な場合は園保管の書類に記入するようにしましょう。


個人差が大きい、1歳児の発育

個人差のある子どもたち

子どもの発達・発育は個人差がとても大きいです。子どもが生来持っているものはもちろん、それまでの経験によっても違いが出てきます。一人ひとりの子どもに寄り添うという保育士の対応には変わりはありません。次の発達のステップを見通して、遊びの中で子どもの力を伸ばすようにしていきましょう。

また、言葉が出ない、歩かないなど、保護者がほかの子と比較して心配になるケースがあります。いずれの場合でも、日中の様子や家庭での様子などを踏まえ、園内で共有して方針を話し合うようにします。市区町村の発達巡回指導を利用するなど、行政の手を借りるようにしましょう。


生活習慣の基礎を作る!毎日の生活リズムがとくに重要

生活リズムをつかめている子ども

睡眠はもちろん、食事、遊び、排泄など、正しいリズムでの生活が子どもにとって毎日の安定につながっていきます。保育園での生活は規則正しいものですが、家庭での生活にも気を配っていきたいところです。夜の睡眠時間や就寝時刻、朝ごはんの有無など、連絡帳で確認することができるものはしっかりと確認します。不規則な生活が続くなど、気になる場合にはまずは園で話し合うようにしましょう。毎日の正しい生活リズムは成長と休息のために必要不可欠なだけでなく、子どもの情緒の安定にもつながっていきます。


離乳食から普通食へ。食事介助のポイント

食事をする幼児

1歳になると、食事でほとんどの栄養を摂るようになってきます。この時期の食事は、食事が楽しい、と思えることが何よりも大切です。食べられる喜びを一緒に感じて、「おいしいね」「みんなで食べると楽しいね」など、積極的な声かけをしながら食べる時間を楽しむようにしましょう。 また、歯の生え揃い方や食べる力には個人差があり、形状によっても食べにくい食材があります。咀嚼、嚥下など、一人ひとりの食事の様子をしっかりとみて進めるようにしましょう。

一方で、自分で何でもやりたいという意欲が出てくる時期でもあります。食事介助用のスプーンの他に子ども用のスプーンを用意したり、手づかみ食べを承認したりと、子どものやる気をうまく引き出すようにしていきましょう。保育者が一緒に食べると、食具の使い方や、食事のマナーなどを自然と学ぶことができるので、可能であれば一緒に食べるのもよいでしょう。徐々に離乳食から普通食へ移行していきます。

子どもの興味関心に寄り添って!1歳児の遊び

1歳児と遊ぶ大人

身体の発達・発育に合わせて遊びの内容が大きく変わっていきます。「〇〇やるよー」と一斉保育をするよりは、やりたい遊びを子ども自身が選べる環境作りを心がけましょう。園によって考え方も保育の仕方もさまざまではありますが、基本的に1歳のこの時期は、子どもたちの興味関心から遊びを広げていくことが大切です。人的環境、物的環境、空間、時間など、保育の環境で考慮すべき点はたくさんあります。

・ 人的環境
遊びの世界を広げるきっかけになる大人である保育士、と一緒に遊ぶお友だちなどの環境

・物的環境
おもちゃや道具など環境

・空間
集中できるスペースや体を動かせるように区切られた空間

・時間
繰り返したっぷり遊べる時間

子どもたちのペースに合わせて遊び込めるように、発達にあった手作りおもちゃを準備して適宜入れ替えていきます。模倣を好み、おままごとやごっこ遊びも楽しくなってくる時期なので、コーナーを作ると繰り返し遊ぶでしょう。クレヨンやペンでのお絵描き、シール貼りなど、製作の一歩手前の遊びも楽しみます。新聞や紙をちぎったり、丸めたりする遊びは、手先の動きを促します。絵本を自分でめくって眺めたり、お話を思い出しながら見ることができるので、絵本を読めるコーナーもあると興味が広がります。

体を動かす遊びでは、歩いたり、走ったりを楽しめるように、かくれんぼやおいかけっこなどを取り入れてもいいかもしれません。室内でも、布を使っていないいないばあをしたり、ボールを追いかけたり、音楽に合わせて踊ったりと、多彩な遊びを楽しむことができるようになります。


1歳児にしつけは必要?保育計画のポイント

保育計画を考える女性

睡眠、排泄、着脱、片付け、食事など、園での基本的生活習慣を少しずつ身につけ始める時期です。まだまだ入り口に立ったところなので、一朝一夕で上達するわけではありません。子ども一人ひとりの意欲や、周りのお友だちからの刺激で少しずつ慣れていきます。この時期には「習慣化」がより重視されるので、上手にできる必要はまだありません。外から帰ってきたら手を洗う、手を洗ったら拭く、拭いたらお部屋に行ってお茶を飲む、など、一連の流れができるようであれば、細かいところは保育者の手を借りながらできれば十分です。
そのためにサポートできる保育者がいます。少しずつできることが増えるよう、しっかり観察して自立を促していきます。保育計画を作る際も、まずは一人ひとりの成長を思い浮かべてくださいね。

「いやいや」がだんだんと始まり、自我が芽生える重要な時期です。みんなと一緒にやりたくないことが増えてきて、「思うようには動いてあげないんだぞ!」という強い意志が見えてきます。ちょっと難しい時期ですが、保育士が少し待って見守ってあげることが解決につながることもあります。焦らずに見守れる人数配置を心がけるようにしましょう。

社会のルールを意識するようになりますが、いわゆる「しつけ」というよりは、生活や遊びの中で多くのことを学んでいくステージです。危険なことは簡潔に伝える必要がありますが、行動の切り替えなどは保育士の腕の見せどころです。子どもが自発的に動けるように、気持ちを切り替える声かけ、手遊び、絵本などを駆使して、子どもたちが新しいチャレンジを楽しめるように配慮します。


見守りとフォローを!やりたい気持ちを大切に


楽しそうな1歳児

行動範囲が広がり、手先も器用になり、言葉が出てきて、自分でできることも増えていく1歳児は、保育士として見守るのがとても面白い時期でもあります。一方で、まだまだ身体的にも精神的にも不安定なので、保育士の見守りとフォローが不可欠な時期でもあります。動きが活発なので、初めのころは安全を見守るので精一杯になることもあるでしょう。少しずつ子どもたちの動きが見えてくれば、毎日の保育が安定してきます。

自我が目覚めてくるこの時期には「やりたい」気持ちを言葉にしてあげたり、少し手伝ってあげることで、子どもの気持ちが満たされ、次のチャレンジにつながっていきます。遊びや生活の中で成長していく様子を見届けて、保護者と成長を喜び合いましょう。

保育士として仕事をしたことがない、ブランクがあると、保育士として働けるのかな?実際には何をしたらいいのかな?と不安ですよね。「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスでは、保育士の方のスキルアップを応援すべく、毎月無料の保育研修を行っています。 保育士資格をお持ちであればご参加いただけますので、ぜひご検討ください。

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執筆者 PROFILE
コラムのライター 相原 里紗 Aihara Risa
保育士・のあそびっこプロジェクト 主宰
(株)オールアバウトを経て国家試験で保育士に。親子×のあそび×地域を軸とした「のあそびっこプロジェクト」他、親子向けイベントを多数企画・運営している。1歳男児の母。 http://www.noasobicco.com/

※参考文献:
ひよこクラブ2009 発達・発育の目安&ママの関わり方がわかる本
はじめての子育て 育ちのきほん 0歳から6歳 神田英雄 ひとなる書房
いちばんためになる はじめての育児 成美堂出版
0・1・2歳児 保育のキホンまるわかりブック 今井和子、石田幸美 学研
保育に役立つ!子どもの発達がわかる本 金子龍太郎、吾田富士子 ナツメ社

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