赤ちゃんや子どもを寝かしつける保育士ならではの方法を伝授!
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#日々の保育
作成日 2019/01/16
更新日 2024/05/14
赤ちゃんや子どもを寝かしつける保育士ならではの方法を伝授!
もっとスムーズに赤ちゃんや子どもたちを寝かしつけることができたらいいのに、と考える保育士は多いものです。けれども、読み聞かせや絵画製作などに比べ、寝かしつけのテクニックをあらためて学ぶ機会はあまりありません。
そこで、今回は保育士ならではの寝かしつけの方法や環境管理について紹介します。
短時間でスムーズに寝かしつけることができれば、子どもたちはもちろん、保育士自身もストレスを軽減できるでしょう。また、空いた時間を連絡帳の記入や保育記録の作成などにあてることができるため、さらに密度の濃い保育が可能になるのです。
保育士としてのスキルアップを目指し、子どもたちをすみやかに寝かしつける方法や環境について再確認してみましょう。
目次 |
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赤ちゃんを寝かしつける保育士ならではのテクニックとは?
なかなか寝かしつけることができず困っていたら、ベテランの保育士さんが代わってくれて、子どもたちがスッと寝息をたてだしたという経験はありませんか。
実は、赤ちゃんをスムーズに寝かしつけるには、コツがあったのです。保育士ならではの寝かしつけのテクニックを順に紹介していきます。
なでなでとマッサージの合わせ技で寝かしつける
赤ちゃんや子どもたちは保育士とのボディタッチが大好きです。これを上手に利用して、優しく体をなでなでしながら眠りの世界へといざないましょう。
触れる場所は、頭や背中、耳やおでこなど、子どもが喜ぶ場所ならどこでもOKです。
難しい動きをしようと保育士が気合いを入れすぎると、子どもたちの注意がそちらに傾き、かえって眠れなくなってしまいます。保育士の手のひらで子どもの体をゆっくりと温めるようになでなでを繰り返すとよいでしょう。
それでも寝つきが悪い子には、寝かしつける前にマッサージタイムを取りいれる方法も効果的です。
月齢や年齢が上がってくるにつれ、「お昼寝しましょう」という保育士の声かけを聞くとつい身構えてしまう子どもが増えてきます。はじめは「マッサージの時間だよ」と伝え優しく体に触れ、しばらくたってから少しずつ動きを単調なものに変えながら「眠くなったらお昼寝していいよ」と言葉をかけるとうまく寝かしつけることができますよ。
マッサージの方法としては、両足両腕を付け根から指先に向かって穏やかになでおろすのが簡単でおすすめです。
肩甲骨のあたりをクルクルと優しくほぐしてあげるのもよいでしょう。子どもが落ちついてきたら、そっとソフトななでなでに切りかえ、入眠するのを焦らず気長に待つのが、このテクニックのもっとも重要なポイントです。
トントンとリズムを刻んで寝かしつける
トントントンと一定のリズムで赤ちゃんや子どもたちの体にタッチしながら寝かしつける方法もおすすめです。トントンの強弱や速度は子どもによって好みが違います。お気に入りのトントンがわからないうちは、次の二通りの速度から選ぶとよいでしょう。
(1)赤ちゃんの心拍にあわせて、1秒に2回ほどトントンする
入眠前の静かな環境なら、たとえ小さな赤ちゃんであっても自分の心臓の鼓動は感じられるはずです。心拍と同じリズムで刻まれるトントンは子どもたちに安らぎをもたらします。
(2)保育士の心拍にあわせて、1秒に1回のペースでトントンする
子どもたちは生まれる前、胎内でずっとママの心音を聞きつづけています。大人の心拍にあわせてトントンすることでお腹の中にいたころと同じ状況を再現し、子どもたちに安心感を与えます。
もちろん子どもによってはこれ以外の速度が好きな場合もあります。
強弱についても、はっきりとリズミカルにトントンするのが好きな子もいれば、強めのトントンでは気が散って眠れない子どももいます。毎日の昼寝のときに、どの子どもがどんなトントンを好むのかについて、保育士がきちんと把握しておくことこそ、すんなりと寝かしつける最大のテクニックなのです。
添い寝で体温と安心感を伝え寝かしつける
保育士が赤ちゃんや子どもたちの隣に寝ころび添い寝するのも、すばやく寝かしつける方法のひとつです。
まだ小さな子どもたちは夜寝るとき、パパやママに添い寝してもらっている場合が多いものです。家での就寝状況に少しでも近づけるため、保育士が並んで横になると子どもが安心し、自然な寝かしつけができるのです。
呼吸のタイミングを赤ちゃんに合わせながら体を密着させ、できるだけ保育士自身の体温を伝えるとよいでしょう。手を握ったり子どもの足を保育士の足で挟みこんだりして、手足を固定するのがおすすめです。
子どもの腕を保育士の脇の下に入れ、抱きつくように抱えてして添い寝すると落ちつくケースがよくあります。
保育士がそれぞれの子どもの気に入る体勢を見つけ、お昼寝のとき自然にその姿勢をとれるようになれば、寝かしつけはずっとスムーズになるでしょう。本当に眠り込んでしまってはいけませんが、保育士が寝たふりをして子どもの耳元で寝息をたてるのも効果的です。
添い寝で寝かしつけをしていると、子どもたちは自宅での癖が出て保育士の耳たぶやひじなど体の一部を触りたがるケースがあります。保護者と相談し、とくにやめさせたいという希望がなければ、可能なかぎり応じてあげるとよいでしょう。
子守歌や周りの音を利用して寝かしつける
まとめてたくさんの赤ちゃんや子どもたちを寝かしつける必要があるときは、優しく子守歌を口ずさむのが効果的です。
お昼寝の際、毎日同じ歌が流れていると、子どもたちはいつの間にか「この曲を聞いたら眠くなる」という習慣を身につけます。「子守歌=昼寝」というイメージがうまく子どもたちに定着すれば、保育士はスムーズに全員まとめて寝かしつけられるようになるのです。
子守歌以外の曲でもかまいませんが、子どもたちが成長するにつれ言語能力が発達すると歌詞に興味を持ちはじめ、かえって脳を覚醒させてしまうことがあります。そのため、『ゆりかごのうた』や『シューベルトの子守歌』など、昔から歌いつがれてきたオーソドックスな曲がおすすめです。
CDをかけてもよいですが、速さや大きさの調節がしやすい保育士の生歌のほうが効果は高くなるでしょう。子どもたちがウトウトしてきたなと感じたら、歌う速さを遅くし声も少しずつ小さくしていきます。
まずは昼寝をするすべての子どもに歌ってきかせ、そのあと、歌いながらまだ寝ついていない子どもたちのところに移動していくといいでしょう。子どもたちの耳元で子守歌を口ずさみながら、なでなでやトントンのテクニックを組みあわせると、最後まで眠れなかった子どもたちもいつしか眠りはじめます。
生まれてまもない赤ちゃんの場合、子守歌よりも水の流れる音やスーパーのレジ袋を擦りあわせる音のほうを好む場合があります。寝かしつけがうまくいかないときは、ぜひとも試してみたい方法ですね。
おんぶや抱っこで歩きまわって寝かしつける
さまざまな寝かしつけのテクニックを駆使したけれど、子どもがまったく眠りそうにないという場合もあります。
そんなときは思いきって、ベッドや布団で寝かしつけるのをあきらめ、おんぶや抱っこをして歩きまわってみましょう。私たち大人もバスや電車に乗っていると、たとえ寝てはいけないときでも、揺れの心地よさでつい眠りこんでしまうことがありますよね。それを赤ちゃんや子どもたちの寝かしつけに利用する方法です。
保育室内で一定の範囲を決めゆったりと同じコースを歩きまわるのが、スムーズに寝かしつけるポイントです。
いろいろな場所に行くと子どもたちは目をらんらんと輝かせ、いっこうに眠りにつきません。保育士が限られた場所を同じ速度で歩きつづけると、子どもたちは単調な揺れと景色のおかげでどんどんと眠くなっていくのです。
おんぶや抱っこで寝かしつけたあと、ベッドや布団に下ろすときにも注意が必要です。
保育士の体温を感じながら眠っているため、急に冷たい布団に置かれると目を覚ましてしまうかもしれないからです。そのような事態を防ぐため、おんぶや抱っこをする際は、あらかじめタオルやブランケットをおくるみのようにして子どもたちの体に巻いておくとよいでしょう。
無事寝かしつけが成功したら、おくるみごと布団の上に下ろします。ただし、赤ちゃんの場合は窒息する危険性がありますので、くれぐれもタオルやブランケットが顔や口元に覆いかぶさらないよう気をつけましょう。
寝かしつけの環境をもう一度確認してみよう
寝かしつけの際には、ここまで紹介した保育士のテクニックや方法以外にも、子どもたちにとって寝やすい環境を整えることが重要です。赤ちゃんや子どもを寝かしつけるときに、身の回りのどのような点に注意を払い、どんな気持ちで寝かしつけるとよいのかをもう一度確認しましょう。
清潔な環境がすみやかな寝かしつけにつながる
子どもたちをうまく寝かしつけることができない理由のひとつに、ハウスダストやダニによる寝具の不衛生が考えられます。 ハウスダストやダニが原因で子どもたちが皮膚や鼻に不快症状を感じると、いくら保育士が上手に寝かしつけても気持ちよく眠りにつけません。とくに赤ちゃんの場合は、自分でかゆみや息苦しさを伝えられないため、保育士がしっかりと観察しなければならないのです。
ハウスダストやダニの発生を防ぐためにも、保育室は普段から清潔に保つことを心がけましょう。長期間にわたる掲示物や壁面飾りについても、定期的にホコリが積もっていないかチェックするとよいですね。
布団の管理については、週末に持ちかえった保護者の協力が不可欠です。天候やスケジュールの都合もありますが、できるかぎり洗ったり干したりしてもらい、子どもたちが常に快適な布団で眠れるようお願いしてみましょう。
寝かしつけにふさわしい明るさとは?
赤ちゃんや子どもたちを上手に寝かしつけるために、保育士は室内の明るさにも心を配る必要があります。
あかあかとした部屋の中では、適切な寝かしつけをおこなっても、子どもたちは周りのおもちゃや本に気が散ってしまいなかなか寝つくことができません。照明を落とし、日光が強く差し込む場合にはカーテンも利用しましょう。
ただ、あまりにも真っ暗な状態では、子どもたちが暗闇に恐怖心を覚える可能性もあります。少し薄暗い程度の明るさで寝かしつけるのがベストの方法ですね。それでも怖がる子には、そばに行って手を握ってやるなどの配慮が必要です。
保育士が電気を消しカーテンを閉めることで、子どもたちは「今は昼寝の時間だ」と認識するようになります。照明のスイッチを切ると自然と子どもたちが目を閉じるという環境を作りだせれば、寝かしつけは今よりずっとスムーズに進むようになります。
また、明るさについて、特に乳幼児の場合に忘れてはならないのが子どもたちの顔色がわかる明るさにしておくことです。「乳幼児突然死症候群の予防」方法のひとつとして示している自治体もありますので、重要なこととして認識しておきましょう。
(参照:東京都福祉局「認可保育所の指導検査について」
寝かしつける場所も再確認が必要
この機会に、赤ちゃんや子どもたちを寝かしつける場所についてももう一度見直してみましょう。寒すぎても、逆に暑すぎても子どもたちは寝苦しさを感じます。廊下からすきま風が吹き込んでいないか、エアコンや扇風機の風が直接当たり続けていないか、反対にエアコンの死角になっていないか、など細かな点も見逃さず子どもたちに快適な寝場所を提供しましょう。
また、保育室で昼寝をする場合は、隣り合う子どもどうしの相性も重要です。
寝相が悪かったり寝ぐずりがひどかったりする子どもの隣に、少しの音で敏感に起きてしまう子どもを配置すると、当然寝かしつけは非常に難しくなります。集団保育の場では、保育士が一人ひとりの個性を把握し、寝かしつける場所を熟慮することが大切なのです。
さらに、いくら快適な場所であっても毎日頻繁に場所を変えると、子どもたちは落ちついて寝られません。やむを得ない場合を除いては、保育士の都合で寝かしつける場所を何度も変更するのは避けましょう。
寝かしつけはタイミングも重要
最後に、寝かしつけには最適なタイミングがあるということを保育士が認識しておくことも大切です。
寝かしつける直前まで元気に走りまわっていたり、DVDを見ていたりしては、子どもたちがなかなか寝つけなくなって当然です。昼寝の前は、穏やかな読み聞かせや静かな素話など、じょじょにクールダウンできる遊びで子どもたちの気持ちを落ちつかせていきましょう。
同時に保育士自身がおおらかな気持ちで赤ちゃんや子どもを寝かしつけることが重要です。
保育士は子どもたちの世話以外にも日常的な業務が多いため、つい「早く寝かしつけて、あれもこれも済ませておこう」と焦ってしまいがちです。けれども、保育士が慌てれば慌てるほど不思議と子どもたちは寝ついてくれないものです。
寝かしつけは赤ちゃんや子どもたちと向きあう大切なスキンシップの時間だと捉え、常に心に余裕を持っておこないましょう。保育士がゆったりとした気持ちで寝かしつけることで、子どもたちにも安心感が伝わり、結果的にすばやく眠りについてくれますよ。
寝かしつけのスキル、保育士として身につけていこう!
子どもや赤ちゃんをすばやく寝かしつける方法を習得するためには、日々の経験が欠かせません。まだ保育士になって年数が浅かったり、ブランクがあったりする場合はうまくいかず焦ってしまうこともあるかもしれませんが、今回ご紹介した内容を参考に、できるだけ落ち着いてトライしてみましょう。
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都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。