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#保育施設について

作成日 2018/12/28

更新日 2024/05/15

公立保育園の就職について詳しく知りたい!私立保育園との違いとは?

公立保育園の保育士として就職するためには、どうすればいいのでしょうか。まず、公立、私立問わず、保育士になるには保育士試験に合格して国家資格を有する必要があります。保育士試験を受けるための条件は学歴によって異なるので、自分の学歴に対応する条件を確認しておきましょう。

また、公立保育園は各自治体が運営しているため、正規職員として働くためには地方公務員の採用試験に合格しなければなりません。自治体によっては保育士を目指す人向けにサポートを行なっていることがあります。
保育士試験や公立保育園の採用試験はどんな内容でいつ実施されているのでしょうか。

そこで今回は、公立保育園の保育士について仕事内容、試験など詳しくご紹介します。

目次

令和5年に公表された保育園の施設数や園児数


こども家庭庁が令和5年4月1日に公表した「保育所等関連状況取りまとめ」によると、保育所などを利用している児童の数は272万人であり、前年より1.3万人の減少。保育所等の数は39,589か所で、令和4年よりも345か所多くなっています。
施設ごとの詳しい内訳を見ていきましょう。

保育所などの施設数について(単位:カ所)

平成29年

令和2年

令和5年

特定地域型保育事業

4,893

6,911

7,512

幼稚園型認定こども園

871

1280

1,477

幼保連携型認定こども園

3,619

5,702

6,794

保育所

23,410

23,759

23,806

合計

32,793

37,652

39,589

保育所等利用児童数について(単位:人)


平成29年

令和2年

令和5年

特定地域型保育事業

56,923

88,755

94,524

幼稚園型認定こども園

30,882

55,718

66,876

幼保連携型認定こども園

342,523

553,707

637,893

保育所

2,116,341

2,039,179

1,918,042

合計

2,546,669

2,737,359

2,717,335


(参考:こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和5年4月1日)」)

少子化の中でも、保育施設のニーズは増加傾向にあるということができます。

公立保育園で働く際の特徴は地方公務員試験に通過する必要があること

児童福祉法の第十八条には保育士の定義が記されています。専門的な知識や技術を持ち、保育や保育に関する指導を行なうのが保育士の業務です。公立保育園の保育士として働くためにはふたつの資格を取得しなければなりません。

ひとつめは、国家資格の保育士試験。都道府県知事が指定した保育士の養成施設を卒業し、保育士試験に合格することで資格を得られます。保育士試験は、一次の筆記試験と二次の実技試験があり、一次試験に合格すると二次試験に進む仕組みです。

ふたつめは地方公務員の採用試験。公立保育園の運営は各地方自治体が行なっているため、各自治体による採用試験に合格しなければなりません。保育士と地方公務員の資格を必要とするのが公立保育園で働く保育士の特徴です。
(参考:e-gov「児童福祉法 第十八条」)
※非正規職員では地方公務員の採用試験を受ける必要はありません。


公立保育園の保育士が行なう仕事内容

保育士は乳児から小学校就学前までの子どもに対して、教育や養護を行ないます。仕事内容の基準となるのは、保育所保育指針に記載されている次の5領域です。

健康基本的な生活習慣となる「食事・睡眠・排泄・清潔・衣類の着脱」を身につけていく。
人間関係集団生活の中で友達との関わり方やルールの大切さを知ることで、自立心や周囲と接する社会性を養わせていく。
環境周囲の環境に興味を持ち、見る・聞く・触れるなどの感覚を身につけたり遊び方を考えたりしながら生活に取り入れていく。
言葉言葉で遊ぶ楽しさを知ったり、人と話を伝え合ったりすることで言葉の表現力を身につけていく。
表現感じたことや考えを自分なりに表現し、感性や創造性を養っていく。

(参考:こども家庭庁「保育所保育指針解説」)

公立保育園の保育士は、遊びを通して心身ともに成長させる計画を実行したり、身の回りの世話や社会性の教育を行なったりします。保護者とコミュニケーションを取ることや、子育てのサポートをするのも大切な仕事です。ほかにも、地域との連携を図り保育を行ないます。
保育園での1日は、子どもたちの登園にはじまり、朝の会や遊び、昼食、お昼寝、おやつ、遊び、降園といった流れです。退勤前には片付けや戸締りなどを行ないます。


公立保育園の保育士の収入

内閣府による令和元年度の「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査報告書」には、保育士の状況が公表されています。常勤・非常勤それぞれのデータを地域区分ごとと定員区分ごとにまとめてみました。
※地域区分は、施設がある市町村によって8区分に設定されています。

常勤保育士

地域区分

平均勤続年数

1人当たりの給与(賞与含む)

総括

11.0

303,113

20/100地域

16.5

396,057

16/100地域

14.3

392,952

15/100地域

12.2

386,487

12/100地域

11.4

319,339

10/100地域

10.8

310,627

6/100地域

9.4

302,973

3/100地域

9.2

274,333

その他

11.1

269,234


非常勤保育士

地域区分

平均勤続年数

1人当たりの給与(賞与含む)

総括

7.8

162,859

20/100地域

6.0

203,705

16/100地域

2.3

153,349

15/100地域

5.7

179,482

12/100地域

9.4

165,661

10/100地域

6.4

186,827

6/100地域

6.3

164,024

3/100地域

6.6

148,259

その他

6.6

152,585

常勤保育士

定員区分

平均勤続年数

1人当たりの給与(賞与含む)

40名以下

10.7

276,647

41〜90名

10.9

290,972

91〜120名

12.3

328,507

121〜150名

10.9

304,012

151名以上

10.0

295,173

非常勤保育士

定員区分

平均勤続年数

1人当たりの給与(賞与含む)

40名以下

6.4

153,283

41〜90名

6.2

157,957

91〜120名

6.5

169,835

121〜150名

7.0

169,615

151名以上

5.1

159,499

参考:こども家庭庁(政府統計の窓口)「幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査

公立保育園の保育士の福利厚生を紹介


公立保育園では各地方自治体によって独自に福利厚生制度が整えられています。働きたい自治体のホームページなどで内容が紹介されているので事前に確認しておくのがおすすめです。

たとえば、埼玉県さいたま市では埼玉県教職員互助会による助成制度が受けられます。人間ドックなど検診料の補助や、指定施術院でマッサージや鍼を受ける場合の割引券を交付して健康面をサポート。
ほかにも、保養施設や協定施設の宿泊料金や、条件を満たしたJRの運賃などについて補助が受けられます。
(参考:一般財団法人 埼玉県教職員互助会「各種厚生事業等の御案内」)

また、地方公共団体の常勤職員になると同時に共済組合の組合員になることが法律で決められているため、給付金制度も利用可能です。埼玉県市町村職員共済組合では、病気やケガ、結婚したときなどさまざまな給付金制度が用意されています。
(参考:一般財団法人 埼玉県教職員互助会「給付を受けるとき」)


福利厚生以外にもある公立保育園の保育士の魅力や特徴

上記公立保育園の保育士の福利厚生は、正規職員なのか臨時職員なのかなど、雇用形態によって恩恵が受けられないものもあります。

福利厚生以外の雇用形態に関係のない特徴としては、用務員さんがいることが多いという点があります(施設によります)。お掃除などに時間をとられず、ゆとりのある人員配置の中で、保育に専念できる環境が整えられていると言えるでしょう。

その他、延長保育の時間が短く勤務終了の時間が早いことが多い、有給消化率が高いなども挙げられます。

これらの特徴は、保育にしっかり向きあいたい、そして自分の時間や生活を充実させながら仕事をしたい、と考える方にとって魅力的です。

公立保育園の保育士に魅力を感じた方、興味があるという方、お気軽に説明・相談会をご利用ください。
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公立保育園の保育士は転勤の可能性も

公立保育園の保育士は地方公務員のため、人事異動となる可能性があります。公立保育園のあり方として、保育士の育成計画に異動が含まれ、児童館などほかの施設へ出向となる場合もあります。定期的な人事異動の実施は、組織内でより深く情報を共有できる効果があり、同じ市区町村の保育園が連携して同じ保育内容を受けられるように考えられています。

保育士の人事異動は、3月下旬に通知されるのが一般的です。その後、4月の入園式を過ぎてから保護者や園児に発表されます。ただし、転居が必要な転勤の場合は人事異動が発表される時期よりも前に内示が出ることも。
本人のみへの通知となるので、口外は厳禁です。

公立保育園の保育士の非正規雇用率


令和4年7月に「全国保育協議会 会員の態調査報告書 2021」が公表されました。社会福祉法人全国社会福祉協議会・全国保育協議会が保育施設の状況を調査したものです。公立保育園の保育士の非正規雇用率について見ていきましょう。

非正規の雇用形態となる保育士や保育教論が配置されている施設は、全体の87.2%にのぼります。公立の施設(公設公営)においては、非正規雇用形態の保育士や保育教論の比率が49.1%と、高い傾向となっているのが特徴です。
認可保育所では、非正規の割合が20~40%未満の施設が一番多く、その次に40~60%未満の順になっています。
(参考:全国保育協議会「会員の実態調査報告書 2021」)

近年では、派遣を受け入れる保育園も増えてきています。派遣会社によっては福利厚生が整っていたり、残業なし、持ち帰りなし、時間固定で就業できるなどのメリットがあります。

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公立保育園と私立保育園の違い

公立保育園と私立保育園は、入園手続きや保育料、保育内容が共通しています。監査状況や職員の研修も共通点です。どこに違いがあるのか、代表的なポイントをご紹介します。

1.保育園の給食
公立保育園では、3歳以上児は副食給食となるケースがあります。ごはんやパンなど主食のみ家庭からの持参が必要です。同じ自治体内でも私立保育園の場合は、主食費の負担により完全給食を実施している施設もあります。

2.延長保育
公立保育園と私立保育園で違いが見られるのが延長保育時間です。公立保育園の場合、延長保育は1時間という施設が多くなっています。私立保育園では、延長保育が2時間という施設が多く、夜遅くまで対応している施設もあるのが特徴です。

3.保育士の勤務体系
公立の保育園に勤める保育士は定期的な人事異動があります。私立保育園は人事異動が少ないのが特徴です。運営母体により系列の保育園へ異動することがあります。



公立保育園に就職する方法

公立保育園の保育士として働くために必要な保育士資格と地方公務員の資格は、どのように取得すればよいのでしょうか。受験資格や試験内容、難易度などについて詳しく解説していきます。
また、資格取得後は就職活動をしなければなりません。公立の保育園ではどのように保育士を募集しているのか、応募方法についてもご紹介します。

保育士になるための受験資格と難易度

保育士になるための保育士試験についてご紹介します。こども家庭庁が公表している令和4年度の保育士試験合格率によると、保育士試験の受験者数は79,378人。合格者は23,758人で合格率は29.9%です。
(参考:こども家庭庁「保育士試験の実施状況(令和4年度)」)

保育士試験を受験するための条件は学歴によって異なります。詳細は次のとおりです。

学校教育法に基づく学歴

内容

大学卒業

学部・学科にかかわらず受験資格があります。

大学在学中・中途退学

在学中の場合:学部・学科にかかわらず受験資格があります。

2年以上在学している場合:62単位以上修得していれば学部・学科にかかわらず受験資格があります。

中退した場合:2年以上在学し62単位以上修得していれば学部・学科にかかわらず受験資格があります。

短期大学卒業・在学中

学部・学科にかかわらず受験資格があります。

専門学校卒業

学校教育法に基づいた専修学校で修業年限2年以上の専門過程であれば、学部・学科にかかわらず受験資格があります。

高校卒業

平成3年3月31日以前:受験資格があります。

平成8年3月31日以前:保育科なら受験資格があります。

※保育以外、または平成8年4月1日以降に保育科を卒業した場合は、2年・2880時間以上の受験資格該当施設での勤務経験が必要です。

中学卒業

5年・7200時間以上受験資格該当施設での勤務経験が必要です。


保育士の試験内容と実施時期


保育士試験は、前期と後期に行なわれ、試験日は各都道府県が決定しています。
試験内容は筆記と実技に分かれており、令和6年の場合は前期の筆記試験が4月、実技試験が6月です。後期の筆記試験は10月、実技試験は12月です。
(参考:全国保育協議会「 保育士試験を受ける方へ」)


公立保育園の採用試験


公立保育園で正規職員として働くためには、保育試験のほかに採用試験に合格しなければなりません。公立保育園の採用試験の流れについて、令和7年4月採用の一例をご紹介します。
令和6年の7月に受験申し込みと面接が行なわれ、9月の筆記試験結果が出るのが10月上旬です。合格すると10月下旬から11月上旬にかけて行なわれる2次試験に進みます。結果が通知されるのは11月下旬から12月上旬です。

公立保育園の雇用形態、正規職員のほかには


公立保育園の求人情報は、主に各自治体のホームページで確認できます。保育士・保育所支援センターで閲覧することも可能です。
正規職員のほか任期付常勤職員の採用試験が行なわれることがあり、児童福祉法に基づいて保育士登録を受けているなどの条件をクリアすれば受験できます。任期が定められているものの、市区町村の一般職員として任用されるのがメリットです。
また、臨時職員という位置づけになりますが、私立の保育園同様にとして常勤、パート、派遣などの雇用形態で募集が行なわれることもあります。

公立保育園の採用試験は倍率も高い傾向にあり、内定を勝ち取るまでのハードルは低くありません。また、求職者の置かれている状況によってはフルタイムで働くことが難しいなど、正規職員以外の働き方が望ましい場合もあるのではないでしょうか。
さまざまな働き方があることを忘れず、自分のライフスタイルにあった働き方を選ぶようにしましょう。


正規職員以外では、派遣保育士としての就業がおすすめ


非正規職員を随時募集している自治体もありますが、給与が低い傾向にあるのがデメリット。非正規職員として公立保育園で働くことを考える場合には、派遣保育士という選択肢がオススメです。年齢やブランクを気にせずに働けて、高時給の案件をメインで紹介しているのが派遣のメリット。しっかりサポートしてくれるので、基本的に残業なしで休日も確保できます。

公立保育園への派遣については自治体から選ばれた、限られた業者がだけが行なうことができます。
「わたしの保育」を運営するテンダーラビングケアサービスでは首都圏を中心に多くの公立保育園への保育士派遣を行なっています。
定期的に説明会を行なっているほか、個別説明会も可能ですのでご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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公立保育園の民営化について


各自治体は、民間で成立する事業について民間に任せることを基本とした事業見直しを行なっています。各自治体が運営する公立保育園についても、民営化の対象となっているのです。民営化には大きく分けて「委託」と「移管」があります。
委託は、公立保育園のまま保育業務を民間業者に委託する方法です。移管は、公立保育園を廃止して民間業者が私立保育園を設置して保育業務を引き継ぎます。

民営化後も保育所保育指針に基づいて保育を行うことは変わりませんが、園毎、もしくは運営母体毎に掲げた独自の保育方針に基づいた運営が行なわれます。



公立保育園で働くには早めの準備が大切


公立保育園の保育士についてご紹介しました。公立保育園の保育士になるためには、保育士試験と採用試験に合格しなければなりません。保育士試験は前期と後期に実施され、筆記試験と実技試験があります。保育士資格を取得すると、公立保育園の採用試験が受験可能です。

各自治体では、4月採用の試験以外に臨時の募集を行なうこともあります。勤めたい公立保育園がある自治体のホームページを定期的に確認しておきましょう。

募集状況は自治体により異なり、通勤可能な範囲内では自治体からの求人が出ない場合もあります。
そのような場合には、当社のような保育専門の人材紹介会社を利用いただくことで、公立保育園なみの好待遇の私立保育園へのお仕事のご紹介や、公立保育園への派遣の紹介を受けることができるなど、お仕事の選択肢を広げることができます。

あなたのご希望をじっくりお伺いし、ご自身に合った環境でお仕事できるよう全力でサポートさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください。



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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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