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#保育士の働き方

作成日 2018/12/07

更新日 2021/03/31

保育士の志望動機の書き方とパターン別の例文を紹介!


保育士に限らず、就職や転職活動で大切な「志望動機」。履歴書のうち志望動機は採用担当者に「この人に会いたい」「この人を採用したい」と思わせる事前面接のような役割があり、基本的にはその園で働きたい理由や意思を書きます。

また、保育士の就職・転職においては「保育士として転園」「新卒で保育士を目指す」などさまざまなケースがあり、それぞれにおいて応募者に求められるスキルが異なります。自分の立場を意識した独自の内容も加味して志望動機の作成をしましょう。

志望動機は、他の応募者と差別化するためにも大切な項目。この記事では志望動機の書き方の基本からそれぞれの立場に応じた書き方まで、具体的に解説していきます。さっそく志望動機の書き方について見ていきましょう。

目次

保育士の就職・転職における志望動機とは?


志望動機はそもそもどのような役割があるのでしょうか。また志望動機は自己PRとは異なるので、その違いについても理解しておきましょう。




書類選考を突破するために大切な履歴書の志望動機


履歴書を作成するときに多くの人が頭を悩ませる「志望動機」。保育士の求人に応募する際には「なぜこの園で働きたいのか」ということを明確に伝える必要があります。
応募先の職場にこだわる「オンリーワン」の内容で作成した志望動機は、他の応募者と差がつき、採用担当者の印象に残ります。

一方で、実際に応募や転職を検討する立場としては、「家から近いから」「待遇がいいから」など「採用側には言えない本音」もあるでしょう。そのような場合でも、志望動機の作成プロセスをきちんと把握しておけば「相手に伝わる志望動機」を作成できます。

志望動機は応募の本音をそのまま伝える必要はありません。志望動機の書き方をしっかり予習して、「この人を採用したい」と思わせる書き方で志望動機を作成しましょう。


志望動機の役割とは?自己PRとの違い


応募書類で志望動機と同様に重要な「自己PR」。志望理由と自己PRの内容が似てしまうこともありますが、このふたつには明確な違いがあります。

「自己PR」は「自分目線」で、自分は何ができるのか、どういう人物かということを伝える項目です。一方、「志望動機」は「採用側の目線」で、応募者が園に対してどのように貢献できるか、ということを伝える必要があります。

自己PRは「自分主体」なので、応募先によって変える必要はないでしょう。しかし、志望動機は応募先に合わせて考える必要があります。なぜなら、履歴書の中でも唯一、応募先に対するこだわりを印象づける意味合いが強い項目と言えるからです。


保育士の志望動機で採用担当者が見ているポイント


志望動機は採用側の視点に立って、「この人に会いたい」「この人なら採用したい」と思わせるような文章にすることが大切です。「多くの保育園や仕事がある中で、なぜここを選んだのか?」「応募者のどのようなスキルが園に貢献できそうか?」など、園が求めている人物像と結びつけて志望動機を作成することを心がけましょう。


保育士の志望動機の書き方【基本】

採用担当者の印象に残る志望動機の作成方法について、整理すべき情報など具体的な作成のステップをご紹介します。


①志望先の園で「したいこと」「できること」を考えよう


まずは志望動機のアウトラインを固めていきましょう。応募先の園のホームページを見ながら「したいこと」「やりたいこと」を列挙し書き出してみましょう。
小規模園なら「少人数ならでは、子どもの個性を尊重した保育」、大規模園なら「子どもたちの社会性をはぐくむサポート」など、応募先の園によって「できること」や「自分がしたいこと」を言語化していきます。

このプロセスでは転職エージェントなどから情報を入手することで、より「できること」「したいこと」のイメージが湧きやすくなります。転職エージェントについては後半で説明します。


②自分の経験やスキル・強みをPRしよう


次に園の情報を見ながら、応募先の園がどんな保育士を求めているかを想像し、その人物像に自分の経験やスキル・強みなどを当てはめてみましょう。
一般的に保育園で求められる人物の共通点は、「真面目」「体力がある」「子どもと真摯に向き合える」の3点です。自分がこれらの経験やスキル・強みを持ち合わせていることをさりげなく盛り込みましょう。


③志望先の園の特徴や理念に言及しよう


どの園にも「自分でしっかり考える子を育てる」「思いやりを大切にする」「国際人としての土台を築く」など、特徴や理念があります。それらの特徴や理念に触れ、応募先の園で働きたい理由を明確にしましょう。



保育士の志望動機の書き方と例文【パターン別】

【キャリア別】保育士の志望動機の書き方と例文

新卒・未経験の場合

重視されるのは、積極的な姿勢と人柄です。ポテンシャルを期待されているとも言えます。これは、新卒者や未経験者はゼロから覚える人材であるため、教わったことを直に吸収でき、園にとっては伸びしろの大きい魅力的な人材だからです。

「即戦力になれないから」と遠慮して後ろ向きにならず、やる気と学ぶ姿勢をどんどんアピールしましょう。

<例文>
私は保育士として、小さな成功経験を積み重ねることで、子どもたちが強い人間となる基礎をしっかりとつくるサポートをしたいと思っています。学生時代にボランティアで、子どもを対象とした工作のワークショップのお手伝いをしました。その時に、「切り方の丁寧さ」「発想の斬新さ」など、途中の細かい作業一つひとつのよかった点を見つけることを意識していました。すると、子どもたちの目がみるみる輝き、飽きることなく集中力を発揮するところを目の当たりにしました。

今でもその様子が記憶に強く残っています。ハードなボランティアでしたが、この経験を通して、子どもの小さい成長を見逃さず、成長に丁寧に寄り添う保育士を目指したいと考えるようになりました。貴園では少人数制をとられており、自分が目指す保育ができるのではと感じております。

経験者の場合

若手保育士は、多少の経験よりも人柄とやる気が重視される傾向があります。記載内容が経験だけに偏らないように、学ぶ気持ちも書くとよいでしょう。

<若手保育士の例文>
前職では全体で◯名という小規模園で勤務し、一人ひとりの子どもや保護者と向き合うことができる仕事にやりがいを感じておりました。しかし、『大きな集団で起こる子どもたちの行動や子どもたちをどうやってまとめていくか』ということを、若いうちにもう少し学びたいと思い、規模の大きな貴園を志望しております。


ベテラン保育士は若手保育士と異なり、保育の経験とともに職場の保育士をまとめていく力も求められることが増えています。

<ベテラン保育士の例文>
現在の職場では主任をしており、保育士15名の取りまとめをしています。これまでの長い保育士経験の中、仕事の難しさや、若い保育士の相談などさまざまな視点から保育の現場を見てきました。新しく開園する貴園で、これまでの経験と課題を活かして、多くの保育士が働きやすい組織づくりに貢献していきたいと思っております。

ブランクがある場合

「なぜもう一度保育士として働きたいと思ったか」「ブランクの理由」がしっかり伝わる内容にしましょう。ブランクがあることは悪いことではありません。出産などによるブランクはよくあることで、またブランク中の経験が保育の現場で役に立つということも大いにありえます。

出産でブランクがある場合は育児経験が保育の現場に役立つこと、またブランク中に自分を見つめ直す時間がとれ、やはり保育士として働きたいと思ったこと、などを伝えるとよいでしょう。

<例文>
新卒から10年間、保育士をしておりましたが、息子の出産を機に一度保育の現場を離れました。息子も小学校に入学し自分の子どもの成長を目の当たりにするうちに、子どもの成長と隣り合わせである保育士という素晴らしい仕事に復職したいと、強く感じるようになりました。母親の立場で以前とは違った視点から、保護者の気持ちに寄り添った保育ができるのではと考えています。

異業種から転職の場合

基本は新卒の場合と同様ですが、異業種で経験したことのうち保育士に活かせることも書くと良いでしょう。

<例文>
私は以前食品会社の事務員として働いていましたが、通勤途中に見かける保育士さんと楽しそうな子どもたちの笑顔が忘れられず、自分も子どもたちを笑顔にできるような仕事に就きたいと強く感じるようになりました。

また貴園では食育を大切にされていることもあり、調理や食材に対する自分の興味や、食品会社で培った知識など、貴園で活かせることも多いと思い志望しております。

【雇用形態別】保育士の志望動機の書き方と例文

正社員の場合

正社員は保育業務以外の業務も対応する必要があります。保護者や同僚とのコミュニケーションが取れるか、園に定着して長期間働くことができるのか、などを確認されますので、その点を意識して書くと良いでしょう。

<例文>
配偶者の転勤を考えて、これまではパートで働いていました。もっと子どもや保護者と関わり合いたいと感じていても、パートの職域を超えることはできず、不完全燃焼の気持ちが残っていました。

今回配偶者の転勤が落ち着いたこともあり、まずはクラス担任を目指して新しいスタートを切ることを決意しました。わたしがクラス担任になれた際には、同僚の先生方の気持ちを汲み、コミュニケーションを取りながら業務を進め、園児・保護者・保育士にとってより良い園になるように、尽力したいと思っております。 (以下、数ある園の中でもなぜこの園なのかについても記載しましょう)

派遣保育士の場合

派遣保育士は、履歴書志望動機が必要でないことも多くあります。園が知りたいのは、経験・スキル・その他条件が園の希望と合っているのか、という点です。もし書く場合は、この点についても志望動機欄に書いておくと良いでしょう。

<例文>
家族の介護で退職する前は、私立認可保育園で15年の験があり、主任経験も5年あります。

火・木曜日はフルシフトで対応が可能で、月・水・金曜日はデイサービスのお迎えのため、16時までの勤務を希望しております。

パートの場合

パートに求められるものは、園によってさまざまです。クラス担任の補助をしてほしい、クラスフリーで動ける人を探している、特定の園児の支援をしてほしいなど、その募集の背景が聞けるのであれば、背景に対応する内容を盛り込みます。

募集の背景がわからない・園側も決まっていない場合は、自身の経験と勤務への誠実さをアピールできると良いでしょう。

<例文>
公立保育園にて5年勤務した後、結婚転居に伴い退職しました。子どもが学童から帰宅する17時30分までであれば、朝番からの勤務が可能です。同居家族の協力もあるため、土曜日の勤務も可能です。自身の子育ても含めて、これまでの経験を活かし、子どもの目を見ながら保育を行っていきたいと考えております。

【保育園の種類別】保育士の志望動機の書き方と例文

園の規模に着目した場合

<大規模園志望の例文>
現在勤務している園は乳児メインの小規模で、行事も少なく簡素に行っています。行事を通しての成長や大勢の仲間との触れ合いでの気づきを子どもたちが感じられる大規模園での保育を経験し、更に成長したいと感じたことも、志望した動機の一つです。(以下、数ある大規模園の中でもなぜこの園なのかについても記載しましょう)
<小規模園志望の例文>
これまで大規模園で保育をした中で、もっと子どもの個性を引き出し、それを保護者とともに喜びたい、という気持ちが強くなりました。家庭に近い形での保育は、わたしの理想です。定員数の少ない園で密に子どもたちと関わり、寄り添えるように努めていきたいです。(以下、数ある小規模園の中でもなぜこの園なのかについても記載しましょう)

園の方針に着目した場合

<主体性を重んじる方針の園の例文>
貴園の方針である「子どもたちが自ら気づくことを待つ」という点に魅かれ応募に至りました。就業中の園は定員が多いこともあり、職員がもう少し見守ることができれば「一人ひとりの気づきが更なる体験に繋がるはずなのに」と感じることが多くありました。これまでの大規模園での経験で学んだバランス感覚を活かしつつ、大人の指示を待たせるのではない、主体性を重視する保育について学び、また貢献していきたいと考えております。

運営形態に着目した場合

<株式会社が運営する園の例文>
現在の職場は、各職員の意見よりも長く勤めている先生のこだわりが最優先されることが多く、「もっと他の職員の意見を聞いて頂けたら、より良い保育ができるのでは」という思いがありました。貴社の運営される園では、現場職員の声を実際の保育に活かす仕組みが整っていること、数多くの園を運営されているぶん年齢に関わらない人事評価の制度が明確であること、職員のステップアップを応援されていることから、新しいチャレンジをしてみたいと感じ、志望するに至りました。貴社の中で、先輩方とより良い保育について話し合いながら試行錯誤していけたら良い、と考えております。

保育士の志望動機のNGワード・例文


どんな転職理由があるにせよ、志望動機に「人間関係がうまくいかなかった」「待遇に不満があった」など、ネガティブな内容を書くのはNGです。
たとえば次のような内容は好ましくありません。

・人間関係がうまくいかなかった
・給料が安かった
・残業が多かった
・忙しすぎてうつ症状となった
・園長と合わなかった

ネガティブな転職理由が本音であったとしても、それを露骨な形で応募先の園に伝える必要はありません。また、ネガティブな転職理由を、ポジティブな方向で上手にアピールすることもできます。

たとえば「残業が多いから今の職場は辞めたい」は、

現在の職場では勤務時間外の仕事も多いのですが、残業を減らす工夫がうまく実践されていないという現状もあります。貴園では保育士どうしの意見交換が活発であるとお聞きしておりますので、仕事のやり方についてご相談したりご意見を伺ったりしながら、さまざまな工夫をしていけるのではと思っています。

などと言い換えることができます。

また、体調にかかわる問題については、どの園でも前向きに受け止めにくい現状があります。そのような場合は医師の診断書を提出するなど、十分に働けることをアピールしましょう。

その他、保育園(面接をする側)に悪い印象を与えてしまいがちな内容として、下記があります。

  • 特徴がなくぼやかしてあるような、どこの園でも使いまわせる内容が書いてある
    例:設立理念や保育理念に共感しました
    ※どの部分にどのように共感したのか書くようにしましょう
  • 園の事情を想像せずに、自分の希望ばかりが書いてある
    自分の希望ばかりを書くと、「この人は園の運営に協力する気持ちがあるのか?」と懸念されます。自分の都合を書くときはその理由を書き、また協力できるところはする気持ちがあることも書き添えるようにしましょう。

志望先に応募書類を提出するときのマナー

履歴書を提出前にチェックすること

    • 誤字脱字がないか、もう一度読み返しましょう。
      こすって消せるペンではなく、黒のボールペンで書くのがマナーです。語尾が統一されているか、下書きがきれいに消えているかも、チェックします。
    • 写真は貼ってありますか?
      ななめにならないよう、慎重に貼りましょう。また、送付後にはがれてしまった時のため、写真の裏に名前を書くとより丁寧です。
    • 記入忘れや空白欄はありませんか?
      特に日付欄は、後で書こうと思っていてうっかり忘れてしまいがちです。日付欄には、持参する日や郵送する日を書きましょう。
    • 必要な書類はすべてそろっていますか?
    • 自分用にコピーを取りましたか?
      履歴書をもとに面接が進むことも多いので、直前に見直して思い出すために、コピーは有用です。

封筒の宛名の書き方

      • 住所は都道府県から書き、省略しません。
      • (株)ではなく株式会社と書くなど、会社名も省略しません。
      • あて名には、「御中」と「様」を併用しません。
        担当者名がわからないときは御中を、担当者名がわかるときは様を、使います。
        例:人事課御中 / 人事課 田中様
      • 封筒の左下に「応募書類在中」「〇〇職応募書類在中」と書きます。
      • 封筒の裏面に、自分の郵便番号・住所・氏名を書きます。
      • 面接当日に手渡しする場合も、封筒は用意しましょう。


志望動機の書き方、迷ったらプロに相談してみよう



これまで基本的な志望動機の書き方について解説してきました。
しかし、転職や就業までの経験は人それぞれのため、いざ書いてみると本当にこの内容でいいのか自信が持てない場合もあるのではないでしょうか。また、志望動機を書くためには就業希望先の保育園のリサーチが必須ですが、保育施設の特性上、あまり情報を公開していない施設もあります。

そんな時の心強い味方が、保育専門の転職エージェントです。
転職エージェントとは、求職者から希望内容のヒアリングを行ったうえで適切な仕事を紹介してくれるサービスのこと。
転職エージェントを利用すると、多くの場合志望動機はもちろん履歴書の添削を受けることができます。

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志望動機は応募書類の中でも一番大切な部分。就職や転職活動において、まずは履歴書などの書類から選考されるケースもありますので、十分に練った志望動機を準備しましょう。

志望動機や自己PRは、応募書類項目の中でも「書くのが苦手」と感じる人が多い項目です。しかし、書く内容のポイントをおさえれば、「この人を採用したい」と相手に思わせる志望動機作成できるはずです。

それでも志望動機の書き方に悩んでいる方へ

ここまで、志望動機の重要性や書き方のポイントをご説明しました。それでも、「しっかり読んだけれど」「とは言っても」という声も聞こえてきそうです。

自分の内面を掘り下げて魅力的な志望動機を書き上げるのは、誰にとっても大変なもの。空欄のある履歴書を前にして悩んでしまうのは、あなただけではありません。

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志望動機が書けないのは、そもそも「園には言えない動機だけである」ということもあり得ます。「家に近いから」「お給料が高いから」「難しいことはしたくないから」という動機が悪いわけがありません。自分にとって働きやすい環境を求めるのは当たり前のことです。

派遣保育士であれば、志望動機の作成が不要です。ご自分の条件にあったさまざまな働き方をご提案することも可能です。

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監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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