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#保育士資格

作成日 2015/09/01

更新日 2023/12/27

保育士資格・免許を取得する方法(保育士試験)について詳しく知ろう!

「保育士として働くのが夢だけれど、実際に働くための方法がよくわからない」「保育士の免許ってあるのかしら」「保育士試験の詳細を知りたい」といった声が多数寄せられています。

保育士として働くために必要になるのが、保育士資格です。保育士資格を得るには、大学・短大・専門学校など厚生労働省が指定した保育士養成校の養成課程を卒業する方法と、保育士試験を受験して合格する方法の2通りがあります。
つまり、まったく違う職種で働いていた人や保育とは縁遠い学科で学んできた人でも、保育士資格を取ることができるのです。

ここでは、保育士資格の概要や保育士になるための方法、保育士試験の詳細、保育士試験を受けるための資格などについて、ご説明していきます。


目次

保育士の資格とは?


保育所などで0歳から6歳までの未就学児を預かり、保育したり保護者への保育指導を行なうのが、保育士です。
保育士として働きたいと思えば、保育士の資格を取得する必要があります。

資格がなくても働けるケースもありますが、保育士として行なう業務に制限が課せられることもあり、保育士試験は必須試験に近いものと捉えてよいでしょう。


保育士資格は国家資格



保育士の資格は、児童福祉法第18条の4で定められた国家資格です。かつては、保母資格証明書もしくは保育士資格証明書などを持っていれば保育士として働くことができました。
しかし2003年の児童福祉法で、保育士として勤務するためには、都道府県知事に登録申請手続きを行い、保育士証の交付を受けなければならないと改正されています。

保育士は、保育士証の交付を受けて初めて働くことができるということにご注意ください。


保育士と幼稚園教諭の違い



保育士と幼稚園教諭では、管轄する省庁が異なります。保育士は厚生労働省の管轄で、「保育に関する指導を行なう」もの。
認可保育所や認定保育所、無認可保育所のほか、乳児院や民間の託児施設、ベビーシッターなどで働くこともできます。

これに対して、幼稚園教諭は文部科学省の管轄で、幼稚園という学校で働く教諭という位置づけ。未就学児を教育するのが幼稚園教諭で、勤務できるのは、公立幼稚園または私立幼稚園です。


保育士資格のたどった歴史



1948年、現在の保育士資格の前身である「保母資格」が児童福祉法に基づいて定められました。この保母資格を取得した女性が、いわゆる「保母さん」です。この名称が広く受けいれられていく中、しだいに未就学児の保育を志す男性が増え、「保父さん」と呼ばれるようになりました。
その後、男女どちらでも使える呼称を求める声が高まり、1999年に行なわれた「男女雇用均等法」の大幅な改正に伴って、「保育士」という名称が誕生します。さらに、2003年に国家資格として誕生したのが「保育士資格」なのです。


保育士資格を取得するための2通りの方法



では、実際に保育士資格を取得する方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
実は、保育士資格を取得するには、2通りの方法があります。ひとつが、所定の学校に通う方法。さらに、各都道府県で実施される保育士試験に合格する方法です。

ここでは、それぞれの方法について、詳細を説明していきます。


学校に通って保育士資格を取得する方法



厚生労働大臣が指定する養成校(専門学校・短大・大学)で所定の科目や課程を履修すれば、卒業する際に保育士資格を取得することができます。
これらの養成校では、「保育士」「幼稚園教諭」の資格を同時に取得できることが少なくありません。

将来の職業の幅を広げるためにも、ダブルで取得しておくことをおすすめします。

4年生大学以外の養成校(短大・専門学校)では、昼間に2年間もしくは夜間(通信)に3年間の養成課程を受けることが一般的です。
しかしそれぞれの学校のカリキュラムによっては、受講する期間が長くなることもあります。いくつかの学校を比較検討したうえで、自身の希望に沿う学校を選択してください。


各都道府県で実施される保育士試験を受験



保育士になるためのもうひとつの方法が、年に2回各都道府県で実施される保育士試験(筆記・実技)に合格することです。
特定の学校に通わなくても、独学や通信講座を受けるなどして資格取得を目指せます。
その試験すべてに1回で合格できなくても、1度合格した科目は、3年間有効です。
3年後の合格を目指して、自分のペースでコツコツ学習していくことも可能で、働きながら保育士資格を取得したいという方にはありがたい制度です。


保育士試験について知りたいあれこれ



「もう他の職に就いたものの、保育士という夢があきらめられない」
「仕事をしながら保育士を目指したい」
「まったく違う学部に入学してしまったけれど、保育士になりたい」
という方は、各都道府県で実施される保育士試験を受験して資格を取得ことになります。

ここでは、保育士試験についての詳細を確認していきましょう。


保育士試験の受験資格とは



保育士試験を受けるためには、所定の受験資格の規定を満たす必要があります。
大学・短期大学・専門学校卒業者、4年制大学通信課程修了者、中学・高等学校を卒業後の児童福祉施設での勤務経験など、受験資格が細かく規定されているのです。
大学や専門学校は、保育に関係のない学部や学科でもかまいません。専門学校は2年以上通っていれば大丈夫。児童福祉施設での勤務経験は、2年以上かつ2880時間以上が必要です。

中学卒業後に児童福祉施設に勤務した場合は、5年以上かつ7200時間以上になります。ただし、無認可保育園での勤務は含まれませんので、ご注意ください。

保育士試験を受験しようという方は、自分が受験資格の規定を満たしているか確認しておきましょう。


保育士試験の試験形式



保育士試験は、筆記試験と実技試験の2本立てです。
筆記試験は、「保育の心理学」「保育原理」「児童家庭福祉」「子どもの保健」などの9科目で行なわれ、マークシートによる択一式です。
それぞれの科目で6割以上の得点が合格ラインとなっていますが、先にも述べたように、1度の受験で9科目すべてに合格しなくても大丈夫です。
また、幼稚園教諭免許を持っている方は、免除申請を行なえば「保育の心理学」「教育原理」の2科目が免除されます。

実技試験を受けられるのは、筆記試験で全科目合格した場合です。実技試験で問われるのは言語や音楽、造形の3科目ですが、この中から2科目を選択して受験します。それぞれの科目で6割以上得点できれば、合格ラインです。幼稚園教諭免許を持っている方は、実技試験が免除されます。


保育士試験の日程



保育士試験は各都道府県で、年に2回実施されています。
前期の筆記試験が4月下旬。実技試験は7月上旬です。後期は筆記試験が10月下旬で、実技試験が12月上旬になります。
都道府県ごとに試験が実施されるとはいえ、試験日や問題は統一されているため、複数の県で受験することはできません。さらに、後期の試験を地域限定で行なう地域もあり、年度ごとに日程も異なるため、詳細については一般社団法人全国保育士養成協議会のホームページなどでご確認ください。


保育士試験の難易度と合格率



保育士試験の合格率は、約2割から3割程度とされています。ちなみに、2020年度の場合は24.3パーセント、2021年度の場合は20パーセント、2022年度の場合は29.9パーセントでした。
決して合格率が高いとは言えない数字ですが、これは、9科目ある筆記試験ですべてに6割以上得点しなければならないからです。
しかし、先にも述べたように1度合格した科目が3年間有効になるため、この制度を利用すれば、2年から3年かけての資格取得を目指すこともできます。


今後の保育士試験



保育士試験は、受験資格についての規定が設けられているとはいえ、その門の幅はかなり広いとも言えます。
受験するのに年齢上限はありませんし、保育士とはまったく関係がない大学や短大の学部を卒業していたとしても、受験資格を得ることができます。

さらに、各種学校や通信講座などを活用して資格取得を目指すこともできるので、やる気さえあれば保育士への門は開いています。

さらに保育士不足が声高に叫ばれる現代においては、保育士資格に関しての制度が緩和されていく方向にあります。ここでは、今後の保育士試験についても目を向けていきましょう。


地域限定保育士試験が拡大する動き



保育士資格取得に関する規制の緩和策として注目されているのが、「地域限定保育士」資格です。
これは、地域限定の保育士資格を取得しさえすれば、その地域内で保育士として働けるというもの。
ある地域限定の保育士として3年勤務することで、全国で保育士として働くことができるようにもなる資格で、今後さらに拡大していく見込みです。

さらに、地域限定保育士試験で合格した科目については保育士試験で免除を受けることができたり、実技試験の代わりに実技講習会を受ければよいなど、保育士へのハードルが一段と下げられたとも言えます。
保育士資格への足掛かりとして、地域限定保育士試験を受けてみるのもおすすめです。


保育士試験の実技に変化が



現在の深刻な保育士不足を受けて、保育士試験がじょじょに緩和されていますが、これは実技試験についても同様です。
これまで、保育士試験の中で、実技試験は独学や通信講座などでの座学でカバーするのが難しい分野でした。保育士試験の中でも、ハードルの高い分野だと言ってもよいでしょう。

しかし今後は、地域限定保育士試験のように、実技試験を実習というかたちで振り替えるという案も出ており、実技試験の内容が緩和される可能性もあります。
保育士不足を補うため、今後もこうした緩和が行なわれる見込みがあるというのは、保育士を志望する方にとってのチャンスでもあります。保育士資格試験に関する報道に敏感になっておきましょう。


保育士になるために



保育士の仕事は、子どもと接し、子どもたちと一緒に遊びに興じるだけではありません。
子どもたちが快適に過ごせるように身の回りの世話をやくなど保育業務を行なうのはもちろん、保護者の要望に対応したり、園の運営や事務に携わったりと、多岐におよびます。さらに、遠足や運動会などの行事ごとの企画や準備なども行なっていかねばなりません。

ここでは、保育士試験に合格するのにくわえて、こうした業務を遂行するためのモチベーションを今一度確かめ、試験に合格するための具体的な対策を練っていきます。


まずは自分の夢としっかり向き合おう



保育士試験を受験するためのモチベーションを高めるために、まずは自分の夢としっかり向き合うことが大切です。
あなたが保育士を目指しているのは、どんな理由ですか。保育士として子どもと関わり、どんなことをしてあげたいと思っているでしょうか。保育士という夢をかなえるために、どれだけ覚悟を決めているでしょうか。

仕事をしながらでも保育士を目指したい、ある程度歳を重ねてからでも保育士になりたい、何としても夢を叶えたいと思う気持ちにしっかり向き合うことで、これから試験を受験するにあたっての心構えができます。

子どもが好きで、どんなことがあっても子どもの笑顔で吹き飛んでしまうというあなた。
人とのコミュニケーションが大好きで、多くの人とかかわる職に就きたいというあなた。

さまざまな問題に対しても多角的な見方ができるというあなたは、とても保育士に向いている人材です。
保育士になるためには、養成校での課程を修了したり、保育士資格試験に受からなければなりません。その目標に向けて、地道な努力を続けることが大切です。


試験を受けるための準備を万全に



実際に試験を受けるからには、そのための準備も念入りに行ないましょう。
保育士資格を取得する方法としては、養成校に通うほかに、通信教育や独学で学ぶといった選択肢があります。

保育士試験を受けなくてもよいという意味では、養成校での課程を修了し、卒業することがおすすめですが、仕事をしていたり子育てをしている方にとっては、時間の都合をつけにくいという問題も。通信教育や独学と比較して、費用がかかるのもデメリットのひとつです。

通信教育の場合は、合格に向けて内容が練られたテキストが使えるうえに添削指導などもあり、法改正などへの対応がしっかりしているのがメリットです。
通信教育の中には実技試験対策だけを行なっているものもあり、筆記試験だけは独学で対策を練ることもできます。

独学の場合も、書店に足を運べばさまざまなテキストや参考書を手に入れることができます。全国保育士養成協議会のホームページで公開されている過去問を参考に勉強してもよいでしょう。一方で、法改正などの情報は自分で収集する必要がありますので、ご注意ください。


保育士になるという夢を実現させるための第一歩を!





2016年から年に2回実施されるようになり、試験に挑戦する機会が増えた保育士試験。
その合格率は2割前後であり高いとは言えない状況ですが、保育士試験に合格するためのハードルは今後緩和されると見込まれています。

養成校を卒業するほかにも、通信教育や独学などで学んで保育士資格を取得することもでき、自身の環境に応じてその方法を選択できるのも保育士を目指す人にとってはうれしいところ。
時間と費用をかけてもよいならば大学や短大、専門学校を。費用を多少かけてもかまわない場合は通信教育を。費用をできるだけ抑えたい場合は独学で。
あなたのライフスタイルに合わせて無理のないかたちで勉強を続け、保育士という夢を実現させてください。

この記事が、あなたの夢へのモチベーションを高めるものになれば幸いです。


監修者 PROFILE
コラム監修者 和氣 タイ子 Waki Taiko
都内の認可保育園にて園長経験7年、保育経験のべ30年以上のベテラン保育士。現在は研修など人材育成に注力。

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